No.10 気の効いたガラクタ、懐中時計の形をした和洋折衷の文鎮

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モノには、いろんな質感がある。ということを、あらためて教えてくれたのは、古物でした。素材によって時代が違うこと、時代によって同じモノでも素材が違うこと、冷たさやあたたかさ、手に持った感触。試行錯誤を重ねた上で、今に続いているということの確認。古いモノは、そんな当たり前のことを気づかせてくれました。うちにいるモノたちも、いろんな素材でできているのですが、今回ご紹介するのは金属です。「やっぱり、古いモノはカッコイイよね~」と、つぶやかずにはいられないモノであります。

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それは、懐中時計の形をした文鎮。それも中央には方位磁石が付いています。全長7センチ、左右5センチの手のひらにのる大きさで、大正から昭和初期頃につくられたモノだと思うのですが、ローマ数字と東西南北があしらわれた文字盤が、和洋折衷で実にステキなのです。この素晴らしいデザインは意匠登録されており、裏面には登録番号の刻印があります。そもそも、懐中時計を使いはじめたのは、明治時代だそうです。当時の懐中時計は高嶺の花でした。だからでしょうか。文鎮などの文房具や、印判手の食器や着物などに描かれています。No.1でご紹介した飛行船型ステープラーの飛行船と同様に、当時の人たちのあこがれであったことが、うかがい知れるのです。懐中時計については、『TIMEKEEPER 古時計どっとコム』『アンティーク懐中時計のページ』『社団法人 日本時計協会』が参考になりました。それによると、この文鎮は"デミハンターケース"をイメージしたのでしょうが、もちろんフタは開きません。

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懐中時計型文鎮と出会ったのは、下北沢にある"古道具・月天"です。店主のTさんとは、世代が近いこともあり、気の効いた(店主いうところの)ガラクタに「カッコイイ!」と連呼し続ける間柄で、古いモノに興味があったところへ、拍車をかけてくれたのは、間違いなくTさんです。この文鎮も、「いいよなぁ」、「カッコイイ~」、「ここまで状態がいいのは、なかなかでないよ」と大の大人が2人して大騒ぎ。いったいどんなお家の、どんな机で使われていたのでしょうか。想像すると楽しくなります。思うに、「モノづくり日本」と、よく聞きますが、この時代から、こんなに渋くて、細かくて、まるで本物の懐中時計のような、ステキな文鎮をつくっていたのです。すごいですね!
余談ですが、No.2でご紹介したプロペラ型のペーパーウエイトは、「ペーパーウエイト」って、イメージなのですが、懐中時計は「文鎮」のほうが、しっくりくるので、文鎮としてご紹介しています。あくまで主観です。すみません‥‥。

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ご案内
古道具・月天を"その54 下北沢の『古道具・月天』と画期的発明鉛筆削りの巻"で、ご案内しましたが、現在は、営業日と営業時間が変わっています。

古道具・月天
住所 : 東京都世田谷区北沢2-1-3 
電話 : 03-3424-8445
営業日 : 土日祝祭
営業時間 : 13:00~19:00
※仕入やイベント参加の際は、お休みのことがあります。お電話で確認してから行かれると確実です。下北沢のアンティークショップ巡りを兼ねて、行ってみてください。


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このページは、さえきあすかが2011年2月 1日 15:24に書いたブログ記事です。

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