No.128 二宮金次郎が描かれた、戦前の書道用固形墨

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これは、なんだと思いますか? 

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正解は、書道で使う墨(固形墨)です。それも、私の亡き祖母にとって、アイドルのような存在だった、二宮金次郎がパッケージに描かれており、「勞作尊重」、「全購買聯(ぜんこうばいれん)」、「クミアイ」、「貮ツ星(ふたつぼし)」、「定價金拾五銭」の文字と、桜の中に「共存共栄」の文字がデザインされたマークが描かれています。

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その上、墨本体にも、二宮金次郎が薪を背負いながら、読書をしている姿が型押しされているのです。家に帰ってから、パッケージを外して見た時は、とても驚きました。そして、二宮金次郎の上に描かれた、「勞作尊重」の文字は金色で描いてあるし、裏面の「クミアイ」は銀色で描かれ、共存共栄のマークは3つも型押しされ、マル公マークのラベルまで貼ってあるのです。なんて、手間のかかった墨なのでしょうか。

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大きさは、縦80ミリ。横20ミリです。 残念ながら、パッケージの裏側はやぶれていたのですが、未使用で、嬉しい出会いでした。

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この共存共栄マークは、戦前の物資が不足した時代につくられた商品に見ることができます。それも、ものすごく種類が多くて、戦時資料研究家のHさんですら、「多すぎるから、集めるのは大変です」といっておられました(このマークについては、もっとわかりやすいモノでご紹介したいと思います)。

さて、先に書きました、祖母のアイドル二宮金次郎について補足を‥‥。明治生まれの祖母にとって、薪を背負いながら勉強をする二宮金次郎は、孫の私にも真似をしてほしい存在でした。もちろん薪を背負えということではなく、時間を無駄にせず、勉強してほしいという意味です。なので、子供の頃はよく話を聞かされたものです。二宮金次郎改め二宮尊徳は、農業の向上に尽力された方でもあります。今になって思うと、台湾からの引揚者である祖母が、必死に勉強した農業は、土地改良を進めた二宮金次郎を思い浮かべながら、努力したのかも知れないと、思ったりもするのです。

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千葉県佐原の田んぼです。平成24年6月撮影。  

 


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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
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このページは、さえきあすかが2012年6月30日 22:22に書いたブログ記事です。

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