今回は、No.169でご紹介しました、お配り物のカガミにつづき、3枚のカガミをご紹介したいと思います。
まず1枚目は、山梨県松本市の"山屋洋服店"さんです。水色のマント姿の女性は、昭和初期に流行したモガスタイル。男性は洋装と、トンビの和装姿に帽子といういでたち。金泥風の背景がゴージャスといいますか、とてもオシャレな感じがする絵柄ですね。状態もよく、裏面のカガミはこれが一番きれいです。
こちらが、その美しい状態のカガミ面です。ほかのカガミは残念ながら錆が出ていたり、曇っていたりします。
2枚目は、"桑那道子"と名札をつけた女性のカガミです。パーマネントをかけたヘアスタイルのきれいな女性、戦前の女優さんでしょうか? 人気の俳優さんがコマーシャルに活用されるのは、昔も今も一緒ですね。宣伝の文句が特にないことから、あるいはお配りモノではなく、プロマイドのように販売されていたのかもしれません。
3枚目は、状態はよくないのですが、ワインのビンに葡萄の房をあしらった、味わいのある絵柄。これまた山梨県の甲府市"土屋合名會社"のカガミです。 ワイン‥‥いいえ、葡萄酒などお酒の会社のようで、甲府という土地柄から考えて、製造販売をしておられたのでしょうか。
こんな風に数が集まってくると、楽しいものですね。宣伝する媒体に、手のひらにすっぽりおさまるカガミがあった時代‥‥。今はすっかり、宣伝と「モノ」が縁薄くなったなぁ、と、しみじみ思ったりするのです。