濱田研吾さんが解説された、『夢声戦中日記』が中公文庫から発売されました。
徳川夢声さんのお名前は皆さんご存知でしょう。明治27(1894)年、島根県の生まれ。活動写真と呼ばれていた、無声映画時代の弁士として有名で、その他にも俳優、文筆業など多方面で活躍された方です。
この本は、その夢声さんが戦時中の昭和16年から20年までに書かれた、数多くの日記の中から、解説者の濱田さんがチョイスし、原文を加筆せずにまとめたものだそう。芸能史的に資料性が高いと思われる下りや、プライベート上の興味深い部分など、さすが夢声ファンである濱田さんが選んだだけあって、面白く拝読しました。
自他ともに認める、夢声さんの大ファンであり、研究者でもある濱田さんですから、戦後70年という節目の年に、戦時下の夢声日記を世に送り出すことができたのは、さぞ嬉しかったことと思います。
読んでいてしみじみ思ったのは、「昭和も遠くなったなぁ」ということ。日常、古物に接している私ですらそう思うのですから、古いモノたちと縁薄い生活を送っている方からすれば、なおさら遠くなったと感じておられるのではないでしょうか。
娘が幼稚園に行くようになり、平成生まれのママともおつきあいしているのですが、話題が若いころの話になると、「ごめんねぇ。昭和の話で‥‥」なんて、ついつい予防線を張ってしまう自分に、年齢を感じてしまったり。ちょっと前までは、年配の方がおられると明治や大正の話も出ましたが、最近はとんと聞かなくなってしまいました。
気が向いたら、タイムスリップする気分で、70年以上前の話を読むのもいいかも知れませんね。
興味のある方は、ぜひぜひ手にとってみてくださいませ。
今回ご紹介するのは、写真のお皿です。縦15.5センチと小ぶりで、黄色味がかった色合いの縁取りに、ちょっと荒削りな感じの絵柄があしらわれ、持った感じはぼってりと厚みがありました。
中央に描かれているのは、よ~く見ると雀でした。ラフな絵ですが、緑の葉の間を雀がはばたく様子と、四周の色合いがどことなく品良い感じなのに惹かれて、テーブルの真ん中に置いたら素敵かも、と求めました。
涼しくなって、どこからか金木犀の香りが漂うこの季節には、ぴったりな雰囲気じゃありませんか? そうそう、今年はドングリの当たり年で、出かける先々で、娘がどんどん拾ってきます。ドングリを入れる器としてもよさそうですね。
【 お ま け 】
シルバーウィークは、長野県に行ってきました。久しぶりのお天気続きとあってか、まあ、ものすごい渋滞で大変でしたが‥‥。
途中釜飯で有名な"おぎのや"で食事をしたとき、おみやげコーナーで、釜飯のうつわをそのまま小さくしたような、可愛らしいお釜を発見して思わず手に取りました。赤の包み紙はりんご飴、緑のそれは漬物なんですって。ちょっとトクした気分で、嬉しかったです!
廃線跡のレンガの橋、「めがね橋」もはじめて見ましたよ。とても大きくて立派な姿に、びっくりしました。
娘と静かな廃線跡を歩いて、探検したりと楽しかったです。
娘の好きな「ぐでたま」チャンと一緒に、駅の跡で記念写真。