今回ご紹介するのは、上野動物園の絵葉書です。表門の写真なのですが、実に立派な門構えだったのですね。中央に掛けられた看板も手書きでしょうか。味わいがある看板だと思います。この絵葉書は、昭和7年9月1日に発行された、『主婦之友(九月號)附録 大東京完成記念發行・大東京名所繪はがき集(七十二枚一組)』の中の1枚です。出版社が発行している絵葉書らしく、宛名面に解説文が添えられているのも魅力です。
ちなみに上野動物園は、「藤堂高虎の邸跡で、明治十五年に農商務省博物局の附属動物園として設けられ、後に宮内省の所轄となり、更に大正十三年、皇太子殿下御成婚記念として東京市に下賜せられました。敷地約二萬坪、ここに飼育される世界の珍獣奇鳥は、五百種に及びます。」と書いてあります。当たり前のことですが、上野動物園にも、歴史があるのですね。残念ながら、中にはピントがあっていなかったり、構図が傾いていたりして、絵葉書の質は、いまひとつだったりしますが、72枚もあるので、当時の東京を知る上で、とても参考になる、お気に入りの『繪はがき集』なのでした。
上野といえば、今まで不忍池や、上野松坂屋デパートについて書きましたが(No.24、48、55参照)、今回やっと上野動物園のご案内です。9月末に年間パスポートを購入したのです(今だけの限定品ということで、AKB48のクリアファイルをもらえました。ちょっと嬉しい)。1回入園するのに、大人600円なのが、年間パスポートだと2,400円って、お得ではありませんか? 娘は無料だし‥‥。最近ようやく、よそのベビーカーに、娘が乗ることができるようになり、歩く練習をさせるのも、動物園なら安心でいいと思ったのでした。それに、赤ちゃん用の椅子付トイレはあるし、オムツも売っているし、泣いても目立たないし、実にありがたい場所なのです。
私は、いつも西園の池之端門から入るのですが、上野動物園って、子供と歩くと、メチャクチャ広いんですね。パンダのいる表門方面なんて、遠くて、なかなか行けません。なので、いつも見る動物は、決まった動物ばかり。それも一番お気に入りなのが、ペンギンの近くにいる鷺(?)だったりします。数羽いるのですが、自分をペンギンだと思っているのか、それとも、泳いでいるペンギンを魚だと思って、狙っているのか。とにかく、いつもペンギンのそばにいるのです。その姿が実におかしいんです。行くたびに、ニコニコと眺めてしまい、とても癒されます。
肝心の娘は、最初は鳩や雀ばかりに反応していましたが、最近少しだけ大きな動物も意識するようになりました。やぎ山のある"なかよし広場"にいる、ニワトリとアヒルです。ここには、やぎやヒツジなどと一緒に、ニワトリなどが放し飼いになっているのですが、アヒルが一番お気に入りのようで、「がーがー」といって近寄っています。大きなヤギが、目の前にいても平気で、案外泣きません。成長したものだと、ホッとしながら眺めているのでした。
春頃から、何回か通ってきた上野動物園。不忍池とつながっていますから、美しい蓮の花も眺めてきました。遠くにはスカイツリーも見ることができます。そんな蓮も種?の姿になり、気がつくと、木々も紅葉しはじめています。どこからか金木犀の香りもしてきました。暑い、暑いといってきたのに、もう、すっかり秋ですね。