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「脇役列伝」タイトル

ヒーロー研究家立石一夫

クレージーきってのミュージシャン



クレージーキャッツ

 ケーブルテレビで「クレージーの怪盗ジバコ」を見る。北杜夫原作の映画化だが、何度見ても面白い。懐かしい顔が多数出演している。元阪急のバルボンもその一人。国際窃盗団WCWCの一味だ。クレージーキャッツ総出演であるが、メンバーの一人安田伸の演技が光っている。ご存知のようにクレージーは、植木、ハナ、谷までが野球で言うならローテーション・ピッチャーだ。その他は三番手、四番手といったところだ。ジバゴの必死の逃走劇、検問の警察に扮した安田の、スマートさが秀逸で印象に残る。現在の楽太郎をアカ抜けさせたようなイメージが強いが、トボけた中に公務員の誠実さが漂い快地良い。今回じっくり見て、安田伸のキャラクターに惚れ直した次第だ。明るさとひたむきな面に加えて、往年の南利明のおかしさも兼ねていた。
 東京芸大でクラリネットを学んだ経歴があり、クレージーの中でも音楽的センスは抜群のものを持っている。クレージーキャッツでは、サックス奏者として参加。
 ロカビリー顔負けの、舞台に寝そべっての迫真のサックスは、玄人ファンにも喝采を浴びたものである。
 クレージーのメンバーでも植木やハナのアクの強さも感じない、どちらかというと健気で忠実な存在に思える人であった。私は一介のファンであったので、付き合いもあった訳ではない。しかしこの人なら絶対に、相手を裏切ることはないだろうと思わせるものがあった。健康体操家の竹腰美代子と、結婚した時はミス・マッチの感もあったが”おしどり夫婦”としてつとに有名であった。肝臓ガンで早世したのが悔やまれる。


俳優 サックス奏者
(生) S7.9.19
(没) H8.11.5
<本名>安田秀峰 東京芸術大学音楽部管楽科卒。(S28年)
大学でクラリネットを学びジャズに傾倒。S32年クレージーキャッツにサックス奏者として参加。映画、舞台で活躍。「運が良けりゃ」「吹けば飛ぶよな男だが」などに出演


クレージーキャッツは僕の原点、犬塚弘
青春映画の常連、江原達怡
引っ張るワキ役、小鹿番
踊る指揮者、スマイリー小原
不屈の魂、渡辺亮
男の土俵、北葉山
異質な時代劇役者、薄田研二
特撮王国の常連、佐原健二
強肩強打の吉原二世、藤尾茂
”パーっといきましょう”三木のり平
ハヤシもあるでヨ・南利明
ミスター・ニッポン「悪名」でブレーク
男性的な敵役、田崎潤
ボンドガールよ永遠に、若林映子
墓場よりの使者、ザ・マミー
アンパンは木村屋だけじゃない、団令子
悲劇の伊達男<Xイート・ダディ・シキ
おいちゃんは俺だ、森川信
非運のレスラー、G草津
当たり役、風車の弥七・中谷一郎
写真判定男、中村剛
柏鵬時代の反逆児、若羽黒朋明
”たこでーす”たこ八郎
重厚味満点の悪役、高品格
褐色の弾丸・房錦と潜航艇・岩風
黒い核弾頭、ルーター・レンジ
南部のタッグ屋、グラハム&ステンボート
女をなぜなぜ泣かすのよ、城卓矢
教師から俳優へ、戸浦六宏ロッコウ
フックの職人、勝又行雄
当たり役、沢田部長刑事の芦田伸介
名タッグ屋ハードボイルド・ハガティ
名唱ジャイアンツを偲ぶ
2人のもろ差し名人
ニヒルな敵役・成田三樹夫
女性コメディアンの第一人者・若水ヤエ子
知的でとぼけた名優・有島
哀愁のモゲラ
悪役・進藤英太郎賛歌


2007年1月31日更新
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