台風6号の通過にともない、東京は7月21日から23日までの3日間、秋かと思うほど、気温の低い日が続きました。それまでの連日33度という暑さから解放され、ここぞとばかりに自転車での遠出も再開。娘も嬉しそうです。ふと、東京の骨董市カレンダーを見てみました。22日から"骨董ジャンボリー"が開催されているではありませんか! 天気予報では、22日の最高気温は28度。行きたいなぁと思ったら、旦那サンがビックサイト方面に用事があるとのこと、行きに送ってもらえれば、帰りだけなら抱っこで大丈夫かも‥‥。思い立ったら吉日です。急きょ身支度をはじめました。
両手が開くように、鞄はリュックサックを選び、オムツにおしりふき、ミルクに哺乳瓶、お湯入りポットに娘のお菓子。タオル数枚、ビニール袋数枚、濡れティッシュ、娘の靴下に靴、モノを買った時の手提げ袋、財布にパスモ、カメラに携帯を入れました。こうやって、鞄に入れた物を羅列して書いてみると、行く前から、すでにモノを買った後のような荷物の量です。その上、抱っこ紐の中には10キロ近い娘がいるのですから、まるで修業のようですね。でも、いいんです。思ったより早くに、骨董ジャンボリーデビューできるのですから。
*涼しい日は3日間だけかと思っていたら、その後、ずーっとパッとしない天気が続いています。気温も30度止まり。節電中なので、ありがたいことだと思いつつも、いつゲリラ豪雨に遭遇するかわからない状況なのでした。
実は、今まではスタッフ側でお手伝いをすることが多かったので、チケットを買うことはなかったのですが、今回は入場料1000円を握りしめて会場に入りました。そして、娘がぐずったらすぐに帰ること。往復の移動時間をいれて、長くとも4時間でやめること。手提げ袋に入るモノだけしか買わないこと。などなど、自分なりのルールを決めてのスタートです。
‥‥結論から申しますと、娘は何度かぐずりましたが、泣くことはなく、途中外に出ると、親しい業者のMさんがいて、カエルの人形で遊んでくださり、気分転換ができたせいか、なんとか1時間半会場にいることができたのでした。見ることができたお店は、ほんの数店でしたが、お客さんが想像以上に多く、通路ですれ違うのも神経を使うほど混んでいて、なんか、嬉しかったです。そんな状況でしたが、何個かつれて帰りました。今回から数回にわたってご紹介していきます。
では最初に、巴布薬『シントール(エー)』という商品名の、戦前につくられた塗り薬の容器です。惹かれたポイントは、陶器製であること。生成り色に緑色で書かれた文字と、地球に「シントール」と書かれた、タスキをかけたデザインもステキです。よく見ていただくと、当時の日本の領土が濃い色で描いてあります。ラベルでなく、陶器に直接住所や社名、製薬者名まで書かれており、名古屋市東区鶴重町の、シントール薬品株式會社製で、製薬者は松元文作さんだとわかります。ひっくり返すと、底には「岐751」の文字があり、この番号は"統制番号"といって、物資が不足した戦時中につけられました。番号から製作者までわかるとか。ちなみに「岐」は、岐阜県を現しています。詳しくは、『時のかけら~統制陶器』、『統制陶器図譜』をオススメします。こちらでは、長年にわたり、収集してこられた統制陶器を、番号はもちろん、産地や形状など、詳しく紹介しておられます。このシントールも、『時のかけら~統制陶器』の2007年1月と、2005年6月に紹介してありました。ちなみに大きさは、直径75ミリ、高さ50ミリで、比較的大きめのサイズなので、小物入れにヨイです。
次は、滋養強壮薬『SOZYUEN蘇壽圓(ソジュエン)』の同じく陶製容器です。同じお店に、ちょこんと並んでいました。陶器でできた容器って、洗練されていない、ボテッとした感じが、可愛くて好きなのです。大きさは、直径57ミリ、高さ24ミリです。白地に茶色い文字が、いい感じなのでした。はじめてのお店で、パッと発見して買う、という行為は、壮快感があります。ご縁があったのですね。
そういえば、"かんぢや"のお2人にひさしぶりにお会いしました。数年ぶりなのに、ぜんぜんお変わりなく、お元気そうで嬉しかったです。かんぢやといえば、倉敷懐かしマーケットを主催しておられる方です(No.34参照)。7月31日日曜日は、倉敷懐かしマーケットが開催されますよ。近ければ、私も行ったのになぁ~と思ったのでした。