絵葉書の最近のブログ記事

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ご紹介する手彩色の美しい絵葉書は、靖国神社です。大きな鳥居をくぐって、本殿に向かう途中だと思われますが、まわりの木々も、まだそんなに大きくなく、すっきりとした印象です。カンカン帽姿の男性が何人か見え、大人の女性は、まだ着物姿で、子供の服装と、女性の日傘から、夏のようです。広々とした、陽当たりのよい境内を眺めていると、なんだか、のんびりした気分になります。さて、そんな靖国神社へ12月4日日曜日に行ってきました。

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「うわぁ~」思わず大きな声をあげてしまいました。真っ青な空の下に、真っ黄色に紅葉した銀杏の大木が、ずらりと並んでいたからです。ところは先にご紹介しました靖国神社。この日は、京都からやってきた骨董仲間のKちゃんと、靖国神社青空骨董市で待ち合わせをしていました。1ヶ月くらい前から予定をいれていたのですが、前日まで雨で、気温も8度と低く、どうなることかと思っていましたが、4日は素晴らしい晴天で、気温も17度まで上がりました。お互いの日頃のオコナイがいいのかなぁ‥‥なんて思ったりして。1年7ヶ月ぶりの再会なのですが、娘は1歳6ヶ月。つまり彼女とは子供が生まれる1ヶ月前に、大きなお腹で会って以来です。

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それにしても、なんて見事な紅葉なのでしょうか。風が強く吹くと、大量の黄色い葉が、ボワッと上空を舞い、とてもきれいで、ただただ見上げてしまいます。娘も不思議そうに見上げています。そして、山のように落ちている落ち葉を、拾ったり、蹴飛ばしたりと大忙しです。

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骨董仲間のKちゃんは、私より8ツも年下なのですが、モノの好みが渋い上に、とても行動力のある女性で、かれこれ10年以上のおつきあいになります。考えてみたら、不思議なご縁です。古いモノが好きという気持ちで、つながったご縁。そんな彼女が骨董市に到着したのを遠くから見つけ、しばし眺めていたら、時間の流れを感じてしまいました。Kちゃんは、テコテコと歩きまくる娘を見て、成長の早さに驚いているようでした。

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ひさしぶりに会うと、以前よく足を運んだ骨董屋の話になります。その中で、話題の中心になるのは、京都にあった"骨董鯨や"です。自分の買える範囲のモノにしか手を出さず、ひとつひとつのモノと、真剣に向き合っていた店主の話は、会うたびに2人の間にでる共通の話題なのです。お互いに20代の頃は、古いモノを求めて動き回っていましたが、ヤフーオークションがはじまり、古物の流れもどんどん変化する中で、今は小休止といった感じでしょうか。娘は落ち葉との格闘で疲れたのか、途中からは抱っこ紐の中で寝てくれ、コーヒーとケーキをいただきながら、あっという間に4時間が過ぎたのでした。骨董市では、モノとのご縁はありませんでしたが、美しい紅葉と、楽しい会話が大きな収穫となった1日でした。

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次回は里帰り話の完結編を書くとして、まずは、このささやかなブログを読んでくださっている方と、管理人である刈部山本さんにお礼を申し上げたいと思います。12月10日で、"ガラクタ共存記"は、1年を迎えます。産後半年経って 、赤ちゃんとの生活にも慣れ(?)、大好きな古いモノと、子供のこと、日々の暮らしについて、ちょこちょこと書いてきました。ブログの作り方を刈部山本さんに教えていただいてからは、ペースもできてきて、なんとか1年続いたので、嬉しいです。

1年前の娘は、首はすわったものの、動けませんでした。あの頃の私は、娘が少しでも体調が悪いと不安で、外出しても、いつ泣きだすか不安で、今思えば、そんなに不安にならなくてもよかったかなぁ‥‥と思うのですが、心配がたくさんありました。それが今は、もう、目が離せないほど元気に動き回っています。赤ちゃんの成長って、すごいですね。子供と向き合うのは、楽しいことですが、たまには煮詰まることもあります。そんな時は、このブログがヨイ気分転換になっています。たぶん、何年か先に読み返したら、すごく懐かしく思える、濃い1年でした。

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1年前、小石川植物園にて。6ヶ月の娘です。 

 

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里帰りの話に戻しまして、今回ご紹介するのは、最終日に宿泊した"皆生温泉"の絵葉書5枚です。まず1枚目は、昭和30年代頃の葉書で、ボンネットバスが、ずらりと並んでいます。その数は見えるだけでも8台! たくさんのお客さんがいらしたのですね。和装姿の女性が多く写っていますが、旅館の方なのでしょうか。皆生温泉の看板もステキで、上に描かれた温泉マークもいい感じです。

ほかの4枚をご紹介する前に、皆生温泉の生い立ち(?)を、少しだけご紹介します。歴史はさほど古くなく、大正10(1921)年に温泉源を堀りあてたことにより、大正11(1922)年から温泉旅館が次々と開業したそうです。米子駅から皆生温泉までの7キロほどの道のりは、同年7月より、フォード製の幌型バス(12人乗り)の運行がはじまったそうですが、故障が多く、翌年には車両を全部タクシー会社に売却したとか。次にできた交通手段が、路面電車です。その名も"米子電車軌道"。なんと、3年後の大正14(1925)年に開業したという、すごい早さに驚きました。皆生温泉への期待の大きさが、うかがい知れますね。

けれど、時代が悪かったのでしょう。昭和恐慌の影響でお客が減り、赤字が続き、経営陣も変わる中で、陸軍米子飛行場(現・陸上自衛隊米子駐屯地)が建設され、資材等を運搬するにあたり、軌道は貨物輸送の障害になるという理由で、昭和13(1938)年に撤去されたそうです。つまり、米子駅と皆生温泉を繋いだ米子電車軌道は、17年間だけ走った幻の路面電車なのでした。現に、私もその存在を知ったのは、東京にきてからで、皆生に停車している路面電車の絵葉書を見せていただく機会があり、驚いたことをよく覚えています。

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2枚目にご紹介するのは、皆生温泉の大きな看板が、門のように両端に建った絵葉書です。建物の姿は見えず、松林と電信柱、そして、看板の左端を通る、ヨロヨロとゆがんだ線路が、ものすごく気になります。これは、もしや路面電車の線路なのかと思ったのですが、電車が走るには、どう見ても狭すぎますし、だいたい架線もありません。電車の線路じゃないということは、大正11年から14年までの、路面電車が走るまでに、撮影されたモノだと思われます。想像するに、温泉を掘りあてた時にトロッコを使ったのか、もしくは路面電車を通すにあたって、工事で使ったのではないでしょうか。絵葉書には、「皆生温泉三條通入口正面」と、右横書きで書いてあります。 

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3枚目は、「山陰米子皆生温泉(迎松ト三條通)」と書かれた絵葉書で、「皆生温泉 静養館 山陰線米子」のスタンプが押してあります。大きな松の木は、「迎松」と呼ばれていたのですね。先にご紹介した絵葉書にも写っています。看板の先の大きな松の木。新しく開業した皆生温泉で、たくさんのお客をお迎えし、お見送りしてきたのでしょうか。そして、やはり気になるヨロヨロ線路が、先まで続いています。右側には車の姿も。ちなみに、この絵葉書は米子広告社発行で、大正時代のモノだそうです(鳥取の古地図、絵葉書、鳥瞰図(やまちゃんのページ)を参考にさせていただきました。ありがとうございました)。 

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4枚目は、建物が写っています。人力車も停まっており、この人力車はどの辺りまで走ったのか気になります。そして、奥の車には「皆生温泉」の文字が大きく描かれ、幌付きの車であることから、よく故障したという、フォード製の幌型バスだと思われます。絵葉書には「皆生温泉三條通リ」とあり、以上3枚の絵葉書は、皆生温泉が開業して、間もない頃のモノだと思うのです。

それにしても、現在の皆生温泉からは、想像もできない景色ですが、昔はこんな感じだったのだなぁと、まじまじと眺めているのでした。そうそう、皆生には競馬場(草競馬?)もあったそうで、ますます想像できないのですが、これらの事業に尽力された、有本松太郎さんの銅像があったりします。有本さんは、理想的な温泉街をつくりたいと、京都の碁盤の目のような街づくりを目指されたとか。個人的には、米子電車軌道の路面電車が残っていたら、乗りたかったなぁと思い、少し残念です。

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5枚目は「山陰線米子郊外皆生温泉場付近 日野川畔より大山の遠望」とあります。現在は堤防もしっかりつくってありますが、昔の日野川の河口って、こんな感じだったのですね。私も最終日に、日野川まで出てみましたが、大山は雲の中で見ることができず、残念でした。でも、日野川の河口は、日本海と川の間に砂浜ができていて、とても幻想的で、美しい景色を見せてくれました。

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 砂浜の先に見えるのが日本海です。

 

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前回にひきつづき、故郷の絵葉書をご紹介したいと思います。今回は境港です。境港といえば日本でも有数の漁港で、特に松葉ガニが有名ですが、最近は『ゲゲゲの鬼太郎』の町のほうが、ピンとくる人が多いのではないでしょうか。アニメの人気もありますが、NHKの連続ドラマ『ゲゲゲの女房』のおかげで、ますます有名になり、そのせいかわかりませんが、飛行場が"米子鬼太郎空港"になっていました。飛行場に降りた時には、ちょっとビックリしたのですが、以前から境港線で鬼太郎たちが描かれた列車が走ったり、駅名に妖怪名がついていましたから、飛行場にもついたのですね。

昭和29(1954)年に、紙芝居からはじまった鬼太郎が、57年経った今日でも、人だけでなく町に支持されるということは、水木しげる先生が描いた、ゲゲゲの鬼太郎の世界が、時代が変わっても通じる、不変のテーマなんだと思います。私としては、妖怪が暮らしやすい町として、大きな木が茂る神社や、お寺にお墓、松林などの林が、今後も残っていってほしいと思います。さて、今回ご紹介する2枚の絵葉書は、どちらも戦前のモノで、島根半島から、弓ヶ浜半島(弓浜半島)と、伯耆富士こと大山を眺めることができます。

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境港の先端が、砂浜だった時代なんて、もちろん目にしたこともありませんが、波の荒い日本海側よりも、美保湾の奥に引っ込んだ場所に民家が集中していたり、防風林の松林も今より多く、私が子供の頃も、松の木が多かったことを思い出しました。こうして、何十年も前の境港を眺めていると、今はだいぶ埋め立てられて、様子も変わりましたが、大山から弓のように続く弓ヶ浜半島の地形が同じなので、あまり変わっていないように感じたりして‥‥。そんな弓ヶ浜半島で、帰省すると毎回行く観光地が3ヶ所あります。水木しげるロード夢みなとタワーアジア博物館・井上靖記念館です。

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帰省して4日目、ようやく晴れ間が少し見えてきたので、水木しげるロードに行きました。平日なのに、観光客の姿がけっこう見えます。娘を歩かせるには、ちょっと危ないと思ったので、境港駅前の人気が少ない場所で歩かせました。この辺りは、いたるところに鬼太郎たちがいます。歩道沿いには、鬼太郎や妖怪たちのブロンズ像が139体も並び、街灯も目玉おやじなどが描かれ、「妖怪街灯」というそうです。

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境港駅には、目玉おやじの汽車が停まっていました。 畑の間や町の中を、鬼太郎たちが描かれた汽車が走っていく様子は、見ているだけで楽しい気分になります。

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水木しげるロードの一番端には、昔からある、短いアーケードの商店街があり、お店はずいぶん変わりましたが、私には懐かしい場所なのです。アーケードを抜けて、次に向かうは夢みなとタワーです。自転車で、のんびりまわりを見ながら進んでいくと、変わらない景色に癒されます。いつもと違ったのは、途中にある広い公園に寄ったこと。子供がいなければ、意識することもなかったと思いますが、カメやパンダなどの椅子や、大きなすべり台があり、娘と一緒に上からすべりました。すべり台のてっぺんからは、島根半島や漁港の眺めがよく、境大橋もきれいに見えます。

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夢みなとタワーは、鳥取のお土産を買うことができる、みなとまち商店街や、地上43メートルの展望台があります。ここからは大山をはじめ、美保湾から島根半島、弓ヶ浜半島、中海、米子市街、皆生温泉と、ぐるりと一望することができるのです。幸いこの日は、どんどん晴れてきたので、美しい景色を眺めることができました。そして、3階にある水木しげるコーナーで迎えてくれたのは、水木しげる先生! 最近の人形は、よく出来ていますよね。

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ほかにもいろいろ展示されていますが、この部屋には、キッズコーナーがあり、娘が遊ぶのにちょうどいい大きさの積み木がありました。なので展示を見るどころではありません。娘は積み木から離れません。 ほかに人がいなかったのが幸いで、しばらく遊ばせていただきました。ありがとうございました。 故郷に帰ってきて、どんどんたくましくなっている娘です。

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アジア博物館・井上靖記念館へは、翌日行きました。ここは、博物館を見なくても、喫茶だけでもOK。なので、毎回抹茶かコーヒーをいただいて、のんびりしています。弓ヶ浜半島の織物である"弓浜がすり"も展示・販売しておられ、コースターやポーチなども求めました。子供の頃は、近所で絣を織っているおばあちゃんがいて、家の前を通ると織る音がしていたのを覚えています。 

  

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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