映画史上に残る悪玉役者
時代劇や、アクション映画に悪役の存在は欠かせない。私も幼少の頃より、沢山の映画を見て育ったので色々な俳優を知っている。
スクリーンを見て夢中になる余り、本当に殴ってやりたくなる人もいた。その中の一人が安部徹だ。ふてぶてしいとは、この人のために出来た言葉だと思う。それは現代劇、時代劇を問わずサマになった悪役ぶりであった。目付きの悪さ、冷酷そうに笑う表情、薄情そうな歪んだ唇と、どれを採っても一級品。
S14年新興キネマ入社、当時の芸名は原不二雄。ニヤけた二枚目風の芸名ではイマイチ売り出せなかったことだろう。19年松竹大船に転籍、安部徹を名乗る。だが松竹のカラーには合わなかったのでは。
26年フリーとなり日活、東映に出演するようになってから開眼。スケールの大きな悪役として活躍するようになった。
「芸能人物事典 明治/大正/昭和」(日外アソシエーツ)にも、日本映画史上に残る悪玉役者として紹介されているから、筋金入りの本物だ。あまりにも悪役を演じ続けたので、これが最高!というのが頭に浮かばないのが辛い。
今日自宅で見た「激動の昭和史・軍閥」(70年東宝)の、自死する軍人役は、彼にしては押えた演技で心に残るようだ。
日活のアクションものでも、安部の存在なくしては裕次郎も旭も光らない。この人を倒すために、スクリーンを見詰める観客の心が一つになって激情となったようだ。
あまりにも長い悪役人生を、関係者が同情したかどうかは不明だが、晩年はテレビで善玉としても出演。枯れた演技を楽しんだファンも多かった。かくいう私もその一人である。好々爺役でも、存在感を出せたのではと確信する人も多い。重量感あふれる悪役ぶりは、ファンの胸に今でも生きている。
(生) T6.3.28
(没) H5.7.18
出身 福岡県宗像郡宗像村
<本名>阿部徹
S14 新興キネマ東京撮影所に入社 19年松竹大船、26年フリーとなる。主に日活、東映映画の悪役を演じ続ける。代表作「人間の条件」「日本の首領(ドン)」 |
クレージーきってのミュージシャン
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青春映画の常連、江原達怡
引っ張るワキ役、小鹿番
踊る指揮者、スマイリー小原
不屈の魂、渡辺亮
男の土俵、北葉山
異質な時代劇役者、薄田研二
特撮王国の常連、佐原健二
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”パーっといきましょう”三木のり平
ハヤシもあるでヨ・南利明
ミスター・ニッポン「悪名」でブレーク
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悲劇の伊達男<Xイート・ダディ・シキ
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”たこでーす”たこ八郎
重厚味満点の悪役、高品格
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南部のタッグ屋、グラハム&ステンボート
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教師から俳優へ、戸浦六宏ロッコウ
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2007年3月2日更新
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