「あっ、見て!飛行機!」
このセリフは、1日に何度となく娘の口から出る言葉です。青空を飛ぶ飛行機、雲の間からでてきた飛行機、ビルの間を飛ぶ飛行機、夕焼けに向かう飛行機‥‥。彼女はどんなに遠くの小さな飛行機でも、見つけると嬉しそうに指をさします。彼女の影響で、飛行機を見つけることが上手くなった私は、旦那さんと眺めた、フランスの空を飛ぶ飛行機の多さに、驚いたことを思い出しました。
ご紹介するマッチケースは、昭和初期に「太平洋横断」という大きな目標をかかげて、帝国飛行協会が資金集めをした時に、配った景品のようです。財団法人日本航空協会発行の『協会75年史』によると、日本人による、国産飛行機の太平洋横断は、"空前絶後の大計画"として、当時の人々に夢を与えました。昭和も88年になる今日では、太平洋横断なんて当たり前の話ですが、昭和のはじめの航空事情思うと、ものすごい進歩ですね。
残念ながら、空前絶後の大計画といわれた、太平洋横断は達成されませんでした。飛行訓練中に事故が起こってしまったこと、横断のために準備していた飛行機では、無着陸飛行は無理だと判断されたことなどが理由だったそうです。
このマッチケースは、縦60ミリ、横幅45ミリの小さなケースで、「援助せよ、同胞!」、「太平洋横断」、「無着陸飛行!!」、「東京丸の内 帝國飛行協會」の文字と、地図の上を飛ぶ飛行機が描かれています。太平洋に描かれた日の丸のデザインも、インパクトがあって、かっこいいですね。
フタを開けると、マッチを擦る部分が付いており、昔のマッチも残っていました。最近では、マッチってあまり使いませんが、ひと昔前は大活躍していたことが、マッチケースと出会うたびに思わされます。
おまけ
3月中旬の里帰り。なんだか古い葉書のような感じに、伯耆大山が撮影できました。
この時期は、こんなにすっきり見えることが少ないので、とても嬉しかったです。
弓浜半島の防風林、松林も美しく、青い空と流れるような白い雲がきれいでした。
そして‥‥
その横を離着陸する飛行機。娘は大興奮でした。