No.245 下北沢の"古道具・月天"さんとのお別れ その3

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今回は、少し懐かしい写真を。夕方の撮影で、なんとも不出来なのが恥ずかしいですが、昔の写真でご愛嬌ということで。

1994年11月13日に、下北沢は露崎商店さんの2階に、4軒のアンティークを扱うお店がオープンしました。その中の1つが、古道具・月天さんだったのです。露崎商店さんといえば、古建築といってもいい、モルタル壁や菱型の窓枠が素敵な建物。ドラマのロケでも、骨董屋さんとして使われくらいですから、まさにこうしたご商売にはピッタリといったところ。記憶に残っておられる方も、多いのではないでしょうか。

ここに載せた写真の日付を見ると、月天さん開店直後の1994年12月! 数えてみると、21年前になるわけで‥‥。えええええ。そんなに昔になりますか? トシをとったわけです。

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大好きだった露崎商店さんの建物も、5~6年前に取り壊され、今この一角は大きなビルが建っています。写真を撮っておいてよかったと思うとともに、同じような再開発によって消えた古い街並み‥‥私の通った骨董店や、骨董市のあった街たちが思われて、少しさびしい気持ちになりました。

そういえば、月天さんが最後のお店を構えられていた一角も、再開発にかかるとのこと。これから下北沢も、一気に街並みが変わってゆくことでしょうね。

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あのころの月天さんのお店の印象といえば、まず思い出されるのが、たくさんの時計がかなでる、コチコチという機械の音。
優しく、穏やかなこの音に包まれて、古いモノたちも誇らしげに見えたものです。思えば、今よりずっと自分の時間があったころなので、しょっちゅう訪ねては入りびたっていた気が‥‥。楽しかったなぁ。

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古い鞄の並べ方や、笠のかたちもさまざまな照明と、店主Tさんのレイアウトのセンスは絶妙で、とてもあこがれていたものです。もちろんこれですべて終わりというわけではなく、大きな骨董市には出店されると思いますが、あのお店も思い出になってしまったと思うと、寂しくなりますね。

Tさん、たくさんのステキなモノたちとの出会いの場をつくってくださり、本当にありがとうございました! 下北沢に行くのが楽しみだったのは、まちがいなく、古道具・月天さんがあったからです。お世話になりました。そして、お疲れ様でした。



【 おまけ 】
誕生日(何回目かはヒミツ)を迎えました。この1年も、心身ともに元気でいられますように。

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余談ですが、私の家の近所に住まれていた、おばあちゃまが亡くなられました。
娘が産まれてから、前を通るたびによく声をかけてくださって、エプロン姿でいつもニコニコと優しかった、「あんなふうに歳を取りたいなあ」と思わせる、素敵なおばあちゃまでした。

しばらくお見かけしないな、具合でも悪くされたのかしらと思っていたところ、先日、おばあちゃまのお家の外に、茶箪笥や小さな棚など、明らかにご年配の方が使っていたと思われる、古びた家具がいくつか置かれ、どう見ても処分される雰囲気。
さらに、おばあちゃまがいつも大事そうに手入れをされていた、たくさんの鉢植えが、家の前からひとつ残らず消え去っているのにも気づかされて‥‥う~ん。ご家族のご都合もあるでしょうから、仕方のないこととは思いますが、寂しい風景に言葉もありませんでした。

おばあちゃま、娘にいつも笑顔をくださって、ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。



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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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このページは、さえきあすかが2015年4月20日 20:00に書いたブログ記事です。

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