No.243 下北沢の"古道具・月天"さんとのお別れ その2

243-4.JPG

前回のお話の続きです。すでに引き払う準備が進んでいて、お店の前の道路にも、箱入りの品物が並べられていました。月天さんの「看板犬」であったビクターのキャラクター「ニッパー君」も、小首をかしげてどこか寂しげに見えます。またどこかで会おうね!

243-5.JPG

天井から下がった、温かみのあるガラスの電球笠、懐かしくなるような匂いを放つ、木製の什器たちが並ぶ店内‥‥。私を古いモノの世界にいざなってくれた、なじみ深いお店ともこれでお別れと思うと、何とも言えない気持ちになります。

243-1.JPG

気をとりなおして、月天さんで見つけたモノをご紹介しましょう。

最近お気に入りの、セピアモードで撮影すると、まさにアンティーク! という感じの羽ペン。私が小さいころに愛読した漫画、「キャンディ・キャンディ」を思い出してしまいます。当時小学生の私は、キャンディが羽ペンにインクをつけて手紙を書く姿に、とてもあこがれていました。
カラーで撮ってみると‥‥。

243-2.JPG

ご覧のとおり、羽がとてもカラフルに染め上げられていて、古そうな雰囲気は薄れましたが、可愛らしくて気に入りました。

ペン先から持ち手の筒に至るまではガラスの一体パーツで、筒の中にはお飾りなのか、銀紙が巻かれて入っています。うち1本には、根元の部分に「MADE IN JAPAN」の小さなラベルが、はがれかけながらも残っていました。もちろん羽根は本物です。そうそう、以前ご紹介しました、ガラスペンも筒の中に紙が入っていましたが、その紙には広告が書いてあり、驚いたっけ。

243-3.JPG

鉛筆やボールペンのつもりで、筆圧をグッとかけてしまうと、たちまちポキリといってしまいそう。使い手にも繊細さが要求されそうなのも、どこか「キャンデ・キャンディ」の雰囲気に近いものが感じられて、そおっとつまんで、しみじみ眺めてしまうのでした。

何でもパソコンやスマホでできてしまう最近は、手紙なんてめったに書かなくなりましたが、先日、娘の幼稚園のお友達の誕生会に行くにあたり、娘と二人で手づくりのお誕生日カードをつくりました。色鉛筆やサインペンを握るのも、本当に久しぶりです。
鉛筆や模造紙の感触に何かを呼び覚まされたのか、思いのほか凝ってしまい、色紙や娘の描いた絵をノリで貼るなどして、楽しい時間を過ごすことができました。既製品のカードも素敵なものがたくさん出ていますが、たまには手づくりのカードもいいものですね!

つづく


...トップページへ

Author


    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

さえきあすかの本

Powered by Movable Type 5.03

2015年4月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

このブログ記事について

このページは、さえきあすかが2015年3月20日 21:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「No.242 下北沢の"古道具・月天"さんとのお別れ その1」です。

次のブログ記事は「No.244 「美の壺・スタッフ取材こぼれ話」のご案内」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。