前回のお話の続きです。すでに引き払う準備が進んでいて、お店の前の道路にも、箱入りの品物が並べられていました。月天さんの「看板犬」であったビクターのキャラクター「ニッパー君」も、小首をかしげてどこか寂しげに見えます。またどこかで会おうね!
天井から下がった、温かみのあるガラスの電球笠、懐かしくなるような匂いを放つ、木製の什器たちが並ぶ店内‥‥。私を古いモノの世界にいざなってくれた、なじみ深いお店ともこれでお別れと思うと、何とも言えない気持ちになります。
気をとりなおして、月天さんで見つけたモノをご紹介しましょう。
最近お気に入りの、セピアモードで撮影すると、まさにアンティーク! という感じの羽ペン。私が小さいころに愛読した漫画、「キャンディ・キャンディ」を思い出してしまいます。当時小学生の私は、キャンディが羽ペンにインクをつけて手紙を書く姿に、とてもあこがれていました。
カラーで撮ってみると‥‥。
ご覧のとおり、羽がとてもカラフルに染め上げられていて、古そうな雰囲気は薄れましたが、可愛らしくて気に入りました。
ペン先から持ち手の筒に至るまではガラスの一体パーツで、筒の中にはお飾りなのか、銀紙が巻かれて入っています。うち1本には、根元の部分に「MADE IN JAPAN」の小さなラベルが、はがれかけながらも残っていました。もちろん羽根は本物です。そうそう、以前ご紹介しました、ガラスペンも筒の中に紙が入っていましたが、その紙には広告が書いてあり、驚いたっけ。
鉛筆やボールペンのつもりで、筆圧をグッとかけてしまうと、たちまちポキリといってしまいそう。使い手にも繊細さが要求されそうなのも、どこか「キャンデ・キャンディ」の雰囲気に近いものが感じられて、そおっとつまんで、しみじみ眺めてしまうのでした。
何でもパソコンやスマホでできてしまう最近は、手紙なんてめったに書かなくなりましたが、先日、娘の幼稚園のお友達の誕生会に行くにあたり、娘と二人で手づくりのお誕生日カードをつくりました。色鉛筆やサインペンを握るのも、本当に久しぶりです。
鉛筆や模造紙の感触に何かを呼び覚まされたのか、思いのほか凝ってしまい、色紙や娘の描いた絵をノリで貼るなどして、楽しい時間を過ごすことができました。既製品のカードも素敵なものがたくさん出ていますが、たまには手づくりのカードもいいものですね!
つづく