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第３２回 カレーにしてね（３）
都内３大カツカレーその３…武蔵境「中央食堂」
 このカレーのコーナーのシリーズの凄いところは、（１）（２）（３）と番号が進むに従って、カレーの値段が下落するところだ。前項の黒田武士よりさらにここでは値段が下がります。
さて、ＪＲ中央線の武蔵境駅といえば、亜細亜大学や国際基督教大学（ＩＣＵ）などの最寄りだが、それ以外はさほど特徴のない駅だ。しかしここには知人に教えてもらったスゴイ定食屋があるのだった。その知人は「店全体が爆発的に値段が安くなんでもカツカレーが感動的だ」といった。そこまでいうならばと２００２年の初秋のある日に武蔵境を訪れてみた。その店の名前は「中央食堂」というあまり主張のない名前。ただこういう主張のない名前の店は意外にコワイのだ。横浜中華街にも横浜スタジアム側に「中華飯店」というストレートすぎる名前の店があるが、ここは実はモツ系料理では有名な店なのだった。
話を戻そう。武蔵境の街の構造自体は難しくなく、知人が教えてくれたアバウトな案内だけでも、中央食堂にはたどりつくことができた。前面がガラスの中央食堂は、わりとこぎれいな雰囲気で、そんなに広くはない。店内は学生（たぶん亜細亜大学の学生たち）が多く混んでいるので、カウンターに座る。
メニューを見るといくつかあるようだが、日替わりランチが「ハムエッグ定食」。５００円という値段にも非常にひかれたが、ここはやはりカツカレーを食べねばならない。みるとカツカレーはなんと２００円！
一瞬目を疑ったが確かに２００円。そして横には「大盛り６００円」とある。この値段の開きは一体どういうことなのか？……と強い疑問が脳裏をよぎったが、気をとりなおして普通のカツカレーを注文。
他の客も、同じくカツカレーかもしくは日替わり定食を頼む人が多い。定食を横目で見ると、ご飯の盛りとおかずの盛りつけが半端ではなく、非常に巨大。さすがだと感に入る。
そうこうしているうちにカツカレーが到着した。ややこぶりなものの、ちゃんとした立派なカツカレーだ。食べてみる。カレーは非常にオーソドックスな粘度であり、カツも見せかけのぺらぺらカツではなく、ちゃんと肉が入ったもの。正直これはおいしい。このようなものを２００円で食べられていいのか？
胸のそこから感動が押し寄せてきたのだった。
ちなみに後日、カツカレー大盛り６００円のことを知人に話すと「食べるのは相当な覚悟が入ります」とのことだった。いつか挑戦してみたいものだ。
2005年１月６日更新
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