「ペンギン、ペンギン、うれしいな」と書かれた、この可愛らしい子供茶碗は、平成4(1992)年に埼玉県川越市にある蓮馨寺にて開催された、"川越呑龍骨董市"で求めたモノです。ずいぶん昔の話なので、もうこちらでの骨董市は、やっていないかもなぁと思ったら、現在でも開催されていて、うれしくなりました。なんでも毎月8日は、呑龍上人(どんりゅうじょうにん)の縁日で、蓮馨寺境内では、フリーマーケット&骨董市を開催しておられるご様子。川越もずいぶんと行ってないのですが、また行きたいですね。
当時骨董市会場内で、5個売られていたこのお茶碗は、骨董にはまって間もない頃の私の視界に、ビュンと飛び込んできました。デザインされたペンギンはもちろんのこと、色がところどころはみ出ていたり、お茶碗の形がゆがんでいるところも、すごく可愛くて、ドキドキしながら業者さんに訪ねると(この頃は、業者さんに声をかけることすら、勇気がいったのでした)、最初はバラ売りはできないといわれたのですが、欲しそうに眺めている私を見て、いいよとのこと。喜んで2個つれて帰ることにしました。
ところが、後日平和島骨董市で、同じお茶碗が3個ほど、川越で求めた時の半額で売られていたのです。なんだか悔しくて追加しちゃいました。その時の業者さんが「この茶碗は、昭和21(1946)年から28(1953)年頃につくられたモノだよ。古くはないけど、ペンギンの絵っていうのは、なかなかないから可愛いよね」と話してくださいました(なぜこんなに細かく覚えているかというと、平成5(1993)年2月号の『TOKYO アンティークニュース 123号』に、『極楽レトロ おちゃわんの巻』で紹介したからです)。それで合計5個いるのですが、楽しそうに歌うペンギンたちは、本当にうれしそうで、見ている私までニコニコしてきます。
このお茶碗を、ゴソゴソと、ひさしぶりに出してきた理由は、京都の骨董仲間Kちゃんが、「ペンギン、ペンギン、うれしいな」と書かれたお茶碗を買ったと、写真を贈ってくれたからです。それもKちゃんのお茶碗は緑色。「同じお茶碗持っているよ~」とメールをしたら、「同じ色ですか~?」と訪ねられたので、白色だとはわかっていたのですが、どうせならブログに登場させるかと思い、取り出してみると、文字は同じなのですが、ペンギンの構図がまったく違ったのでした。Kちゃんのペンギンは、歌っていないのです。むむむ。文字が一緒だから絵柄も一緒って、思い込んでいました。もしや、このお茶碗も何パターン&何色かあるのでしょうか。
ところで、このペンギン、サンスターのキャラクターに似ていると思いませんか? 昭和23(1948)年に会社のキャラクターにペンギンを使用したサンスターは、昭和26(1951)年よりテレビの天気予報で、「ペンギン、ペンギン、かわいいな」というフレーズの「ペンギンさん」(重園よし雄作詞、平岡照章作曲)という歌と、ペンギンを放映したそうです。なので、このお茶碗は、サンスターの影響かな? と思ったのですが、「ペンギンさん」の歌の3番には、「ペンギン、ペンギン、うれしいな」って歌詞があるのです。ちなみに、この歌がつくられたのは、昭和26(1951)年だそうです。このお茶碗は、この頃につくられたと思うのですが、前述の骨董屋さんの話だと違ったりして。また、昭和31(1956)年に、南極大陸観測を成功させた記念につくられたという説もあります。でもまぁ、だいたいそのあたりということで‥‥。
おまけ
娘の積み木です。昨年末頃から、縦にするとペンギンだそうで、「ペンペン」といいます。
横にすると犬だそうで、「ワンワン」といいます。おもしろいなぁと、感心したのでした。
ペンギンといえば、3月4日に、江戸川区にある葛西臨海水族園のフンボルトペンギンの子供が逃げ出したとか‥‥。大丈夫でしょうか。元気だといいのですが、とても心配です。