2014年4月アーカイブ

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先日、帰省した時に、飛行機の中で娘がいただいたおもちゃです。細かい迷路をスタートからゴールまで、小さい玉を転がしてゆくという、実にシンプルなゲーム。スマホをかたどっているのが今風ですよね。

これが案外難しくて、3歳の娘はすぐに放りだしてしまい、親がもくもくとやっていました。いかにも素朴なおもちゃですが、ちょっと懐かしさもあって、熱中してしまいますよね。このゲームで思い出したのが、戦後間もなくにつくられた、同じような遊び方のゲーム3種です。

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一見すると、銀色の縁取りの中に刷り物の絵がはめ込まれた、コースターか何かのようですが、これも一種の玉入れゲームです。直径は55ミリ。

イヌは針金のまゆ毛2本と、小さな玉2つを目にはめ込んでゆくという、福笑いのようなゲーム。ネコのそれは、目は同じですが、アルミのプレスらしいネズミを、黒い箱(ネズミ捕り?)に入れるというもの。右のパラシュートは、玉一つと人形を、パラシュートの下のくぼみへ入れるようにできています。

どれも、複数の玉やパーツを、ゆすったり叩いたりしてうまく入れてゆかなければなりませんから、娘がいただいた迷路より、数段難易度は高そうです。レトロちっくな絵柄とあわせて、しばし夢中になってしまいました。

注目してしまうのは、イヌとネコのそれに、「Made in occupied Japan」、占領下日本の銘があったこと。パラシュートのみ「JAPAN」だったので、独立回復後の製品かもしれません。このあたり、つくられた時代がしぼり込まれそうで、興味深いですよね。オキュパイドジャパンの品物は、過去にも何度がご紹介していますので、ご覧くださいませ(No.190、駅前ガラクタ商店街 その81)。

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ひっくり返してみると、パラシュートのそれはグリーンの紙でしたが、ほか2点は、明らかに鏡仕上げになっていました。実は手鏡としてつくられて、ゲームの方はオマケだったのかしら? 考えてみると、文鎮もカガミがついているモノがあったりしましたから、いろいろな用途に使えるということは、案外重要だったのかも知れませんね(No.182No.175No.173参照)。

 

‥‥それにしても。子供の入園式から、本当に目の回る早さで過ぎ、ヘロヘロの毎日です。保護者の会で、ベルマークやテトラパックなどを集めるという作業も加わり、新たな発見数知れず。5月中旬からはお弁当も持たせなければなりません。不安だらけですが、頑張りたいと思います!

 

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大正末、雑誌「アサヒグラフ」で連載され、大人気を博した漫画『正チャンの冒険』のことは、アンティーク好きの皆さんならご存知かと思います。このたび、『正チャンの冒険』が生誕90年ということで、公式ホームページがオープンしたとうかがい、さっそく拝見してみました。

漫画の一部が試し読みできるのはもちろん、美しい表紙の単行本のコレクション、作者である樺島勝一さんの紹介やグッズの販売コーナーもあるなど、正チャンを知らない方でも楽しめ、引き込まれてゆく内容だと思いました。

かぶっているボンボンつきの毛糸の帽子から、"正チャン帽"という言葉が流行し、今に至るも使われているほど、オシャレで印象深い漫画だったようですね。正チャンはじめ、登場するキャラクターのファッションも古さを感じさせず、絵として見ても、色づかいがとてもステキなんです。

オシャレな正チャンにくらべてわが身を振り返ると、娘の幼稚園への付き添いで保護者や先生との接触が増えたせいか、ついつい地味な紺や黒に走ってしまうありさま。正チャンの鮮やかな色づかいを眺めていると、しばし現実を忘れて心が洗われるようです。

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正チャンにちなんだ品をご覧に入れましょう。以前、No.52でご紹介しましたコースターを、『正チャン資料室』でも、ご紹介していただきました。現在でも新鮮に映るこの絵柄が、多くの方にの目に触れると思うと、とても嬉しいです。

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大陸らしい?水辺の風景に、カメラを構える正チャンと相棒のリスさん。このコースターも可愛いですよね。上の飛行船、このカメラと、当時最新の流行を取り入れた絵柄で、モダンな感じがします。 

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 そうそう、今年の冬は寒かったですから、私も正チャン帽には大いにお世話になりました! 

 

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夢を見ました。骨董市でお買い物をする夢です。夢でありながら、とてもリアルで、楽しかったのですが‥‥。最近忙しく、なかなか骨董市やお店へ行けないので、ついに夢にまで出たのかと複雑な気持ちに。夢には古いなじみである、古道具・月天のTさんまで登場し、お会いしたいなぁと、しみじみしました。

4月に入って、娘の入園式がなんとか無事終了し、ホッとしたのもつかの間。学級懇談会、保護者会と、連日盛りだくさんの予定に追われています。その上、役員までやることになったので、今後どんなスケジュールで進行していくのか、皆目見当がつきません。そんな慌ただしい日々を迎える直前には、里帰りまで実行したので、4月前半は大忙しの毎日でした。

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さて、今回ご紹介するのは、桜の季節にちなんで、桜模様のボタンです。

それも物資、特に金属が不足した戦前~戦時中につくられた陶器製のボタンで、直径は15ミリ。当時のものは、他にもガラスでできたボタンがあり、使い勝手はさておき、コレクションとして見ると可愛らしく、集めて楽しいものです。

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裏側はご覧のとおり、糸を通す穴が作りつけられており、肉厚なぽっこりとした感じが、可愛らしさを強調しているようです。

学生服のボタンとすれば、桜の意匠は校章なのかもしれませんが、釉薬をかむった茶色の顔料が、なんともいえない味わいがあり、眺めていて楽しくなるデザインです。

物のない厳しい時代にあっても、きれいに可愛らしく仕上げる気持ちを忘れない様子に、すごいなぁと思わずにはいられません。他にも色々な大きさや絵柄のものがあるので、また機会を改めてご紹介したいと思います。

 

【おまけ】

上でも触れたように、久しぶりに里帰りしてきました。このン10年、自分の誕生日の時季に里帰りしたことはなかったので、ここぞとばかり、家族と一緒にふるさとの美しい桜をたくさん眺め、楽しんできました。

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天候が不安定な山陰ですが、比較的いいお天気に恵まれました。青空の下の桜は、本当にきれいです。

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まだ五分咲きでしたが、娘は楽しそうでした。

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東京と違って、お花見の宴会風景はあまりなく、静か‥‥。のんびり桜を眺められます。

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今まで知らなかった桜の道を発見して、大喜び。里帰りしてみるものですね。

‥‥つかの間の休息でしたが、今後の気持ちの切り替えをしっかりとできた帰郷でした。

 

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ご紹介するのは、手のひらにすっぽり収まってしまう、直径32ミリの小さな方位磁石。

ご覧のように、現在のコンパスに見られる角度の目盛りはなく、東西南北の方角すらも文字盤の真ん中に小さく書かれたきりで、主役は子、丑、寅といった干支を示す漢字。そう、時間や方位を、十二支で表現していた頃が偲ばれる、昔の方位磁石なのです。

白くなめらかな本体に、金で文字が入れられて、実用品というよりは、アクセサリーのような高級感があります。素材は象牙でしょうか。ガラスのフチを封している糸にも金が施されて、作られた時代はわからないながら、本当に丁寧な細工だなぁと、すっかり気に入ってしまいました。

外側の文字盤とは別に、中の底にも、紙に刷ったものを貼ったらしい干支が書かれています。あれ? よく見てみたら、外側と内側、干支の順番が逆になっていますよね? どちらが正しいのでしょうか?

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船の大好きな旦那サンが、謎を解いてくれました。正しい順番は内側で、外側が逆になっているのは「逆針(うらばり)」といって、「子」の文字盤を船首に合わせると、針が船の進行方向を示すよう工夫されたものなのだとか。

江戸時代から明治ごろまで、和船の航海に用いられたのだそうです。本当にこんな小さい磁石が、船の上で使われていたのかはわかりませんが、船乗りと関係のある、記念品のようなものなのかもしれませんね。

 

私は、方位磁石つきの小物がなぜかとても好きで、ご縁もあって、少なくない品々と出会うことができました。過去にご紹介したものだけでも、数えてみたら、8点ほど(No.2No.10No.60No.81No.94No.110No.157No.197)。

改めて眺めてみると、方位磁石つきの商品って、一時期ずいぶん流行したのでしょうね。今だったらとても考えられないブーム(?)に、なんだか楽しい気持ちになります。

方位磁石って、私の中では、旅の象徴だったりします。実際に持ち歩いて使った経験は、もちろんないのですけれど、そばにあるだけで、遠くへ出かけたくなる気持ちにさせてくれるのです。まぁ、趣味のひとつに"方位とり"がありますから、「方位」を感じられるグッズは、どこか大切にしたくなるのでしょうね。 

さて、4月がスタートしました。年度初めということで、新たな一歩を踏み出す方も多いと思います。わが家も、今月から娘が幼稚園に入園、生活のペースも大きく変わるので、不安がないわけではありません。

このペースに慣れるまでがまた大変なのでしょうけれど、なんとか頑張ってまいりましょう。早々と満開になった桜を眺めながら 、自分の誕生月ということも手伝って、気持ちを新たにしたのでした。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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