”血はリングに咲く花”世界タッグ選手権者グレート東郷

　私が日系人という言葉を知ったのは、矢張りプロレスがきっかけだったかも知れない。
　ハロルド坂田（トシ東郷）や、グレート東郷といったレスラーが来日して覚えた。ちなみに混血児という言葉は、名探偵ビリーパックの漫画で初めて目にしたのかも。
　戦後のアメリカ・マット界で、”流血王””世紀の悪玉”の名を欲しいままに東郷が、日本の土を踏んだのは一九六０年であった。熊本県から、オレゴン州フートリバーへ渡った移民の子である。幼ない頃は、辛酸をなめつくし思い出すのも嫌だと、後年語っている。初めのリングネームは、東条であったが、流石にアメリカ人には刺激が強すぎた。命を惜しむ余り、東郷に替えたという。
　初めは外国人側に回って、力道山以下の日本人レスラーと戦った。全米を恐怖に陥れた、東郷のファイトに力道山も持て余し気味。翌年の第三回ワールドリーグ戦からは、日本人側に付いたエピソードもある。私が忘れられないのは、ビール瓶だ。第四回Wリーグ戦中の、番外戦で前座の実力者の長沢の脳天をビール瓶で一撃した試合だ。長沢は砕け散った破片と共に失神してしまった。
　反対に外人レスラーに、ビール瓶で殴られケロっとしていたこともあった。今、考えるとおかしな話だ。ビール瓶の銘柄で強弱が違っていたのか。
　第四回Wリーグ戦中は、有名な”ショック死事件”も起きている。ブラッシーのかみつき攻撃で、東郷は血ダルマになった。これをテレビで観戦していた数名の老人が亡くなった事件は、社会的にも大きな話題となった。
　裸一貫で財を成し、ロサンゼルス郊外の高級住宅街に暮らした東郷は、アメリカンドリームの典型であった。晩年は、国際プロレス乗っ取りを企てたり、日本人レスラーの引き抜きを企てたりした。最後まで日本プロレス界の”台風の目”になった男と言える。

不思議なおかしみ、砂塚秀夫
映画史上に残る悪玉役者
クレージーきってのミュージシャン
クレージーキャッツは僕の原点、犬塚弘
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”パーっといきましょう”三木のり平
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墓場よりの使者、ザ・マミー
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重厚味満点の悪役、高品格
褐色の弾丸・房錦と潜航艇・岩風
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2人のもろ差し名人
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2007年３月22日更新
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