「飴屋瓶」と聞いて、下北沢にあるアンティークショップ、あんてぃかーゆを思い出すのは、オーナーの加藤恵子さんが書かれた『こまごま古道具』(住まいの図書館出版局発行)を読んで、その存在を知ったからです。
あめやびん、ご存知ですか?
なんとも優しい響きのビン。それはお砂糖やお菓子を入れたビンのことで、大正から昭和初期につくられました。現在の大量生産でつくられるビンとは、まったく違って、当時のビンって驚くほど、いろいろなデザインがあるのです。大好きなブログ"ガラス集めてみました"の中でも、たくさんの飴屋瓶が紹介されていますから、ぜひ見てほしいのですが、多種多様のビンたちに驚かされます。昔の人の、ガラスビンに対する遊び心が感じられるのです。
私の家にも、長年連れ添っている飴屋瓶がいます。黄色い練りガラスのビンです。古いモノなのに新しい感じがするというか、古いモノの中でも、ひときわ目立つ色です。格子模様に王冠と月桂樹の葉が描かれ、高さは15センチ。口元がナナメになっているのもご愛敬で、へこんだアルミの蓋も時代を感じさせてくれる、とても可愛らしいビンです。飴屋瓶って、黄色のほかにも青、緑、ピンクなどがあり、透明なモノと中が見えない練りガラスのモノがあったそうです。『こまごま古道具』の中で紹介された、青い練りガラスのハートが型押しされたビンなんて、今でも写真を見ると、うっとりしちゃいます。
もうひとつご紹介するのは、無色透明の飴屋瓶です。波に揺れる水鳥が描かれています。こんなに細かい模様がビンに描かれているのですから、昔のビンって、ステキだなぁと思うのです。ビンといえば、「瓶」「壜」「びん」「ビン」と、書く人の好みで表現されますが、私は昔から「ビン」と書いています。なんで? と聞かれると困るのですが、「ビン」が一番しっくりくるのです。
ご案内
マッチラベルのコレクターであり、『マッチレッテル万華鏡』(白石書店発行)の著者・加藤豊さんが参加しておられる、『オリジナル燐寸ラベル&マッチアート展vol.10』が、1月9日(日)~23日(日)まで、渋谷区神宮前にあるオーパ・ギャラリーにて開催されます。デザイナーやイラストレーターの方々がオリジナルのマッチを展示即売されるとか。"古燐票博覧会"の中で、ご自身のマッチへ対する思いや、活動を書いておられるように、本当にパワフルな方で、毎年年賀状をいただくたびに、すごいなぁと思っています。その上、5月には出版予定もおありだとか。楽しみです。