骨董屋の最近のブログ記事

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ひさしぶりの再会だと思いました。かれこれ何年ぶりでしょうか。少なくとも、結婚後には見ていないので、7年以上経過しています。古いモノの魅力に惹かれて、どんどん追求していた頃、とても読みたいと思った漫画のひとつ。吉本三平さんによって、戦前に描かれた、『こぐまのコロスケ』に、ふらりと入った古道具屋で、再会したのです。それは、漫画本ではありません。直径が90ミリほどの、小さな子供茶碗です。棚の上に、印判の小皿などと一緒に並んでいました。赤い帽子に、赤いストライプのズボンがお似合いのコロスケは、漫画を読んでいなくても、自然に頭に入ってくるほど有名でした。というのも、のらくろと一緒に描かれたり、当時のキャラクターを収集していた先輩たちに、よく聞いたからです。

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いつかは読みたいと思いながらも、モノに視線が集中していた当時は、漫画本にまで手がまわりません(お金もないし)。そんな時、たびたび訪れた下北沢で、とても可愛らしいコロスケと出会いました。ところは"甘辛人生劇場 懐かし屋"。1960代の玩具やキャラクターグッズをメインに商っておられる、有名なお店ですが、若い(?)品物にまじって、ところどころに戦前のかっこいいガラクタが並んでいて、私は宝物を発掘する気分で、足を運んでいました。そんな店内に、コロスケのぬいぐるみがディスプレイしてあったのです。小さなちゃぶ台にのったロールケーキを前にして、とても嬉しそうに、ちょこんと座っている姿を、行くたびに、可愛いなぁと眺めていたのは、私だけではないはずです。今は飾ってあるかはわかりませんが、お店のオーナーさんも、なんとなくコロスケに似ているような気がして(スミマセン)、ニコニコと眺めていました。そんなコロスケと、漫画より先に、お茶碗に再会したのでした。

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子供茶碗には、コロスケとタヌキのほかに、赤いチューリップと、笑ったウサギが描いてあります。ウサギは、コロスケのお友達なのでしょうね。なんともユニークな顔で、見ている私まで笑ってしまいます。赤い縁取りも可愛らしく、これから娘が使うには、ちょうどいいと思いました。が、前回のこともあるし、まずはプラスチックの器からはじめて、割らないようになってからです(だいぶ先の話ですね)。

このお茶碗と出会ったのは、谷中にある古道具屋、"古道具ネグラ"です。ネグラとは、「ねぐらに帰る」のねぐらだと思いますが、古道具のねぐらだなんて、かっこいい店名だなぁと、以前から思っていました。実は、お店に入ったのは4回目。購入したのは、今回がはじめてです。店内には本棚や引き出しなどの家具類をはじめ、今すぐにでも使いたいシンプルな食器やガラスのお皿、文房具などが飾ってあります。娘がぐずぐずいって焦りましたが、優しい女性の店員さんが相手をしてくださり、安心して買い物ができました。つくづく谷中には、いろんなお店があって、通うたびに発見があり、楽しいです。ただ、似たような細い道がたくさんあるので、私は何度も道に迷って、古道具ネグラにたどりつけないこと数知れず‥‥。

さて、ひさしぶりにコロスケの漫画が読みたいと思った私は、探してみたのですが、簡単には見つかりません。現状では探しに行く余裕もないので、気長に探すことにしたのでした。51-4.JPG

余談ですが、8月30日に娘が道路デビューしました。部屋の中では歩いていたのですが、道路だと怖がって歩かなかったのです。それが、少し歩いては、しゃがみこんで、道路を触ったり、塀をたたいたり、とても嬉しそうです。母子ともに成長したなぁ‥‥。なんて、しみじみ思いながら、ドテドテ歩く娘を眺めました。乗せると大泣きしたベビーカーも復活させ、疲れたら、たぶん乗るだろうと思っていたら、案の定乗りました(ベビーカー処分しなくてよかった)。 本当に抱っこ紐でのお散歩は、秒読みって感じになってきましたね。これからは、娘を歩かせるので、遠方の散歩は行けなくなるかなぁ~。でも、次は、自転車に子供用の椅子を付けての探検です。これまた楽しみです。

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おしまいに

台風12号による紀伊半島を中心とした大きな災害に、なんでまた‥‥と悲しい気持ちで、いっぱいです。東京に降る1年分の雨が、5日間で降るなんて、想像もできません。故郷である鳥取も、想像を超えた雨量に、家族は、ただただ台風が通り過ぎるのを、じっと待っていました。思えば今年のはじめは大雪で、境港は大きな被害を受けましたが、そんな被害も忘れてしまうほど、とてもとても大きな災害、東日本大震災が起きました。その後も日本各地で、たび重なる自然災害が発生し、今回の台風12号です。相手が自然なだけに、なんともいえない気持ちになります。

どうか、被災された方々が、1日も早く、心身ともに元気になられますように。

心より、お見舞い申し上げます。 

 

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「さえきさん、私にとって、この本は、今まで思ってきたことの集大成であり、理想の本なのです。これが完成したら、私、もう、いつ消えてしまってもいい、というくらいの思いでつくっているのです」と、庄司さん、いえ、びん博士は、私の目を見て話されました。
「またまた、消えるだなんてやめてくださいよ。でも、集大成ですか。凝ったつくりの本ですね。おもしろそう‥‥」
「いやぁ、そういっていただけると‥‥。読んでくださった方の中には、昔の言葉が多くて読みづらいといわれたりもしますが、この本は読むんじゃないんです。心で見て感じるんです」びん博士の独特の口調に、思わず笑ってしまいます。
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骨董ジャンボリーの会場で、入口近くにお店を構える、びん博士と何年ぶりかにお会いしたのに、不思議ですね。いきなり普通の会話からスタートです。お店には、びんも並んでいますが、私にとって今回の主役は、びん博士が熱く語られた本です。もちろん買いました! タイトルは『原色日本壜圖鑑』。びんの本をつくっているという噂は聞いていたものの、ようやく実物を見ることができました。紺色の厚手の表紙に、箔押しされた銀色の文字が、なんだか、とても懐かしい感じがして、昔からあった書物に出会えたような、そんな錯覚を感じさせてくれます。穴を開けて、新刊がでるたびに綴じていくというスタイルも、収集家のハシクレ(?)としては、ワクワクするつくりです。もちろん、穴を開けずに、興味ある1冊だけ、お手元に置かれるのも大丈夫です。思えば、昔の本にとって、"原色"、いえ"カラー"って、とても貴重でした。本に写真を載せること、それもカラー写真を載せることは、お金も手間もかかって、大変なことだったのです。だから、わざわざタイトルに"原色"とつけて、見る人に「カラーありますよ」って、宣伝したといいましょうか、それくらい価値がありました。そんな価値ある『原色日本壜圖鑑』は、現在までに3冊発行されています。
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第0巻【はじめに】では、壜との運命の出会い、図鑑が好きだった少年時代の話にはじまり、最初に出会った壜の紹介や、その壜の背景にある素性など、詳しく紹介してあります。
第一巻【イヒチオールびん篇】では、複数のイヒチオールびんを原色で紹介しながら、会社や製造者の写真を交えて、素性などを細かく書いておられます。
第二巻【育蠶活桑器びん篇】では、育蠶活桑器びんの原色写真は、もちろんのこと、実用新案登録されたびんたちの登録内容まで掲載してあり、びんのこともよくわかりますが、日本で、これらのびんが産まれるまで、いかに蚕が飼育され、産業として栄えてきたかを、うかがい知ることもできます。
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以上、どの本もびんを通して当時の世相までわかる、単なるびんの本ではない、日本の壜図鑑なのでした。それも、大半の部分が手づくりだというからスゴイです。ページをめくると、薄手の紙の次に、その本の主役となるべく、びんの写真が1枚貼ってあります。本文中の原色写真は、印刷されていますが、最初の1枚だけは、ていねいに切り貼りされているのです。お店でお手伝いをなさっていたWさんが、1枚1枚貼られたそうで、「すみません。よく見ると曲がっているかも」と、手渡してくださったのが印象的でした。もちろん本文のデザインも凝っていてステキですし、本誌の表紙の文字だけ活版印刷というのも見逃せません。実にこだわっていますね。次回は「神薬」のびんで、前篇、後篇と2冊になるそうです。神薬びんは、はじめて見た時、商品名で感激し、美しいブルーの色と、小さな可愛らしい形のびんに、大好きになりました。種類も多く、私は数本しか持っていませんが、とても楽しみです。
45-6.JPGそして、これまた、ずっと気になっていたCD『壜博士の"ボトル・フラグメント"』(歌詞、作曲、歌、演奏 庄司太一)も、ようやく買うことができました。庄司さんの歌は、何度か聞いたことがありますが(その31その32参照)、家に帰って、「大きなび~ん。小さいび~ん」と、独特の歌声を聞いていたら、どういうわけか、NHKの幼児番組『いすのまちのコッシー』という、人形劇が頭に浮かんできたのです。どんな内容かというと、椅子の街で暮らす、いろんな種類の椅子たちが、人間関係ならぬ椅子関係の中で、悩んだり、遊んだり、学んだりしながら成長していく話で、この人形劇、椅子じゃなくて、びんでもいいかも‥‥と突然思ったのでした。びんもいろんな種類があって、立場(?)があって、物語にするのは悪くないと思ったのです。形は単純だし、"容器"って掘り下げると深いと思います。もちろん主題歌は、びん博士で‥‥。なんて、そんな世界を想像(妄想)してしまうほど、びん博士の歌は、ストーリー性が高いと思うのです。当然、9曲すべてびんの歌です。
45-7.JPG庄司さんの低い声に安心したのか、もぞもぞ暴れていた娘は、ストンと眠りに落ちました。これは帰るチャンスです。慌てて出口に向かうと、主催者のお1人である竹日忠芳さんと、以前からお世話になっている業者、Mさんにお会いしました。みなさん、本当にお元気そうで、パワフルに頑張っておられます。私も頑張らなくっちゃ!と思い、ご挨拶をして会場を出ました。ここから、有明駅までが遠いんですよね。寝ている娘は、重い。重い。でも、今のうちに電車で行けるところまで行かなくては。有明駅について、ビックサイトに向かって写真を撮りました。何度も見てきた景色なのに、今までとは少し違う感じに映ります。幸い娘は1時間ほど寝てくれまして、起きたのは家の近くでした。「今日はありがとう」と頭をなでると、ニカッと笑いました。

追記:いつもはカタカナで"ビン"と書くのですが、びん博士は、"びん"または"壜"と書かれるので、同じように書きました。それと、あと3つ小さいモノをつれて帰ったのですが、それらは下調べが済んでから、ご紹介しするとして、2011年夏の骨董ジャンボリーのお話は、ひとまず終了したいと思います。

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今回は、ひさしぶりに、びん博士と奥様にお会いできたお祝い(?)として、長年うちにいるビンをご紹介します。"東京淀橋 萬歳商會謹製"の"萬☆歳"、"BANZAI"と、右横書きで描かれた、高さが273ミリ、底の直径が58ミリの細長いビンです。バンザイマスクに続く、バンザイビンですね! なんともメデタイ感じがします。飲料水のビンだと思うのですが、なにが入っていたのでしょう。よく見ると、昭和初期の空気、アワアワがたくさんあって、魅力的なビンなのです。

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ご案内

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手づくりの本といえば、串間努さんがつくっておられるミニコミ誌を忘れてはいけません。タイトルは『旅と趣味』。"昭和娯楽の総合趣味誌"と書かれるだけあって、ものすごく濃い内容の、読むと達成感が得られる趣味誌です。それも、表紙や誌面に、昔のラベルや袋などが、そのまま貼ってあるのです。作業の様子を想像するだけで、深く頭を下げたい思いになります。実は、私も参加させていただいてます。『御朱印収集の旅』と題しまして、今回は江戸五色不動について、書きました。そのほかの内容は、あらためてご紹介しますが、今回は緊急告知をしたいと思います。

来たる8月14日、日曜日、東京ビックサイトで開催される、超有名なコミックマーケットに、このミニコミ誌&バックナンバーを持って、串間努さんが参加されます。

☆場所は、東2ホール Oの58aです。

また、まぼろしチャンネル管理人でもある刈部山本さんも、新刊『戦跡商店喰い』を持って参加されます。お2人とも同日です。コミケには、アニメ以外にも、さまざまな物事を研究したり、調べてまとめたミニコミ誌が、たくさん並びます。興味のある方は、ぜひ!

☆場所は、東"R"-11b「ガキ帝国」です。

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骨董ジャンボリーに、はじめて出店される業者さんがいました。私にとっても、初顔合わせの方です。なんで知っているのかというと、このお店はオンラインショップもやっておられ、お買い物をしたことがあるからです。それで、「今回はじめて骨董ジャンボリーに出店します。よろしければいらしてください」とご案内をいただき、行くことができたら、ご挨拶をしようと思っていました。お店の名前は、"あんてぃーく・かのん"。京都にある骨董屋です。同じくオンラインショップをやっておられる骨董屋のリンク先から、お店を知り、その後"古道具屋Kanonさんちのはるちゃん日記"を読んで、のどかな山間の風景や、賢そうなワンちゃんと、こまごましたモノが並ぶ店内の様子に、いつか行きたいなぁと思っていたのです。

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あんてぃーく・かのんにて、なにを買ったかというと、ガラスの鉢です。それも2つ。入れ子になっているモノで、ハートがぐるりと全体に描かれた、なんとも可愛らしいデザインの鉢なのです。この鉢は人気があるので、書籍に紹介されたり、以前何度か見かけたりしたのですが、実は、ハートって少し苦手な柄でした。自称「マイナー嗜好」の私にとって、ハートという可愛らしいデザインは、自分には似合わないと思っていたのです。ところが、子供ができると変わるというか、似合うか似合わないかは別として、ハートに星、お花などの定番ともいえる可愛らしいデザインが、自然に視界に飛び込んでくるから、不思議なものです。そんな気持ちの変化に、首をかしげていたところへ、このハート鉢の登場です。2日ほどガマンして、注文しちゃいました。わが家に届いて箱を開けてみると、想像した以上に可愛らしく、サクランボを入れて撮影すると、ますますイイ感じ。しっかりとしたつくりなので、扱いやすく、すでに何度も活躍しています。活躍している器といえば、先日護国寺からやってきた、コウモリの鉢が、想像していた以上に使いやすいのです。今一番使っているかも知れません。実にイイ出会いでした。
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さてさて、会場でお会いした、あんてぃーく・かのんのKさんは、とても優しそうな女性でした。「はじめまして」とご挨拶。なんでも、はじめての出店で、商品を並べるのが大変だったご様子(後日、ブログを読んだら、トイレもなかなか行けなかったとか)。ゆっくり見たいと思ったら、娘がぐずぐずいいだし、あっというまに退散となりました。すみません。あの超短時間は、挨拶といえたのでしょうか‥‥? 次回お会いできた時には、きちんとご挨拶したいと思います。

なにはともあれ、私の中のノルマ達成(?)ということで、再びTさんのもとへ戻って休憩。娘は下に降ろすと、ガラスケースに興味しんしんで、触るから叩くへ。「ひぃ~!」Tさんもケガをしないようにと、モノを移動してくれます。これから歩きだしたら、いったいどうなるんでしょう。しばらく屋内の骨董市は、やめたほうがいいかも知れません。私の心臓がモチマセン。

 

気になる街角 
<本郷館 その2>
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7月30日、午後2時過ぎのこと。どんよりと、上空にはりついていた雲が、1時間ほど、すっといなくなり、ひさしぶりに青空が見えました。せっかくですから、青空の下に建つ本郷館を撮影したいと思い、娘を抱っこして自転車で出発。しばらく眺めていると、たくさんの鳩が、上空を旋回をはじめたのです。上手く撮影できなかったのが残念ですが、とても美しい景色だと思いました。鳥たちから見れば、100年ここに建ってきた本郷館は、この土地の、大きな目印だったに違いありません。仕方がないこととはいえ、そんな目印がなくなってしまうと、鳥たちも寂しいでしょうね。

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そして、8月4日木曜日、大量の畳が出されはじめました。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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