骨董屋の最近のブログ記事

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珍しくアメリカ製の食器を買いました。キッカケは遡ること10カ月前。たまたま入った近所の雑貨屋で、店主が昔集めていたという、白い厚手のガラスに、茶色でヤカンなどがプリントされた細長い容器を買って帰ったのです。何気なくテレビの横に置いて、リモコンを入れていますが、なかなかいい感じ。調べてみると"オールドパイレックス"と呼ばれる、コーニング社が開発した耐熱ガラス容器でした。パイレックスといえば、あまりにも有名ですが、これは1960年代から70年代に発売された"アーリーアメリカン"というシリーズで、残念ながらフタはありませんでしたが、予期しない出会いが、とても嬉しかったのです。でも、アメリカの台所用品に興味はなかったのに、心境の変化でしょうか? 不思議です。心境の変化といえば、白は汚れが目立つからと敬遠してきたのに、新規参入してきた電子レンジやポット、扇風機、地デジ対応テレビなどを白に統一したら、家の中が明るくなっていいなぁと思いました。

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育児も少し慣れてきた12月のこと、茶色いテーブルの上に、アーリーアメリカンの大きいボウルを置いて、果物を入れたらステキだと思い、インターネットで注文しちゃいました。‥‥‥本当は、古いモノは目で見て、手で触れて買いたいと思っているのですが、なんせ今の状況では、出かけることもままならず、食品やおむつなどの育児用品も、イトーヨーカドーのネットスーパー、アマゾンなどに頼りっきりです。なので、今回お世話になったのはプチノエルと、西洋アンティークmumu。ちょうどクリスマスセール中の、この2店にありました。縁があったのですね! サイズもいろいろあったので、揃えることに‥‥。

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きちんと梱包されて届いた、アーリーアメリカンのボウルたちを手に取ってみると、やっぱり可愛い。白地に茶色でネコ、タカ、トウモロコシ、ランプ、ヤカン、コーヒーミルなどがプリントされ、あたたかい図柄を見ているだけでも、楽しい気持ちになり、何個かお揃いであると、余計に可愛く感じます。家事はまだまだ得意とはいえませんが、しっかり使いたいと思います。

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それにしても、今さらと思われるかも知れませんが、古いモノを顔も見ず、声も聞かずに購入できるのですから、時代は変わったものだと、しみじみ思います。といっても、西洋アンティークmumuは、オーナーの山本さんが以前からの知り合いで("その45 横浜骨董ワールド&清涼飲料水瓶&ターコイズの指輪"参照)、お互い元気なことを確認でき、嬉しかったです。プチノエルは、みなとみらい横浜で年2回開催される骨董市、横浜骨董ワールドに出店しておられるそうで、横浜骨董ワールドといえば、何度かアルバイトをしたこともあり、勝手に親近感を持ってしまいました。でもホームページを見ると、本当にステキなお店なのです。ぜひぜひ行きたいと思うのですが、こういう情報って、少し前(?)までは、雑誌や書籍を買って得ていたんですよね~。便利になりました。

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モノには、いろんな質感がある。ということを、あらためて教えてくれたのは、古物でした。素材によって時代が違うこと、時代によって同じモノでも素材が違うこと、冷たさやあたたかさ、手に持った感触。試行錯誤を重ねた上で、今に続いているということの確認。古いモノは、そんな当たり前のことを気づかせてくれました。うちにいるモノたちも、いろんな素材でできているのですが、今回ご紹介するのは金属です。「やっぱり、古いモノはカッコイイよね~」と、つぶやかずにはいられないモノであります。

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それは、懐中時計の形をした文鎮。それも中央には方位磁石が付いています。全長7センチ、左右5センチの手のひらにのる大きさで、大正から昭和初期頃につくられたモノだと思うのですが、ローマ数字と東西南北があしらわれた文字盤が、和洋折衷で実にステキなのです。この素晴らしいデザインは意匠登録されており、裏面には登録番号の刻印があります。そもそも、懐中時計を使いはじめたのは、明治時代だそうです。当時の懐中時計は高嶺の花でした。だからでしょうか。文鎮などの文房具や、印判手の食器や着物などに描かれています。No.1でご紹介した飛行船型ステープラーの飛行船と同様に、当時の人たちのあこがれであったことが、うかがい知れるのです。懐中時計については、『TIMEKEEPER 古時計どっとコム』『アンティーク懐中時計のページ』『社団法人 日本時計協会』が参考になりました。それによると、この文鎮は"デミハンターケース"をイメージしたのでしょうが、もちろんフタは開きません。

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懐中時計型文鎮と出会ったのは、下北沢にある"古道具・月天"です。店主のTさんとは、世代が近いこともあり、気の効いた(店主いうところの)ガラクタに「カッコイイ!」と連呼し続ける間柄で、古いモノに興味があったところへ、拍車をかけてくれたのは、間違いなくTさんです。この文鎮も、「いいよなぁ」、「カッコイイ~」、「ここまで状態がいいのは、なかなかでないよ」と大の大人が2人して大騒ぎ。いったいどんなお家の、どんな机で使われていたのでしょうか。想像すると楽しくなります。思うに、「モノづくり日本」と、よく聞きますが、この時代から、こんなに渋くて、細かくて、まるで本物の懐中時計のような、ステキな文鎮をつくっていたのです。すごいですね!
余談ですが、No.2でご紹介したプロペラ型のペーパーウエイトは、「ペーパーウエイト」って、イメージなのですが、懐中時計は「文鎮」のほうが、しっくりくるので、文鎮としてご紹介しています。あくまで主観です。すみません‥‥。

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ご案内
古道具・月天を"その54 下北沢の『古道具・月天』と画期的発明鉛筆削りの巻"で、ご案内しましたが、現在は、営業日と営業時間が変わっています。

古道具・月天
住所 : 東京都世田谷区北沢2-1-3 
電話 : 03-3424-8445
営業日 : 土日祝祭
営業時間 : 13:00~19:00
※仕入やイベント参加の際は、お休みのことがあります。お電話で確認してから行かれると確実です。下北沢のアンティークショップ巡りを兼ねて、行ってみてください。

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旦那サンが、オモチャの電話を買って来ました。赤い公衆電話の貯金箱で、商品名は"電話銀行"。これがよくできているんです。遠目に見ると本物みたいですし(小さいけど)、10円玉を入れると音楽が流れます。それも日本人の心に届く昭和メロディということで、「あの日にかえりたい」「少年時代」「贈る言葉」「川の流れのように」「秋桜」などなど、懐かしい曲が10曲も入っているという素晴らしさ。おもしろいので、ついつい10円玉を入れて聞いてしまいます。ちなみに10円玉がいっぱいになると、目標達成を知らせてくれて、返金してくれるそうです。最近の貯金箱ってスゴイです。
公衆電話といえば、駅前は別として街中ではずいぶん減りましたね。たまに見かけると懐かしい気持ちになったりして(ちょっと早すぎ!)。でも、どの電話ボックスもきれいにしてるなぁって眺めていたら、以前はいろんなチラシを貼られて、問題になっていたことを思い出しました。チラシって今は貼ってないのかな? そう思い、チラシがたくさん貼ってあった、西武池袋駅西口前の、ずらりと並んだ電話ボックスも見てみましたが、ボックス内にチラシは貼られておらず、外側に2種類貼ってあるだけ。宣伝がチラシである必要がなくなったのだと、あらためて思いました。

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でも、チラシが問題になっていたことも、こうもあっさり過ぎていくと、電話を取り巻く環境が、いかに激変したかを思い知らされます。私自身、公衆電話はずいぶん使っていませんし、テレホンカードも、最後に使ったのはいつだったか思い出せないくらいです。携帯電話の普及により、公衆電話の存在ですら、こんな感じですから、"電話料金箱"の存在なんて、遠い彼方って感じでしょうか? いえ、世代によっては彼方にすらないですね。
電話料金箱とは、各家庭に電話がまだまだ普及していなかった頃に使用されたモノで、下宿などで呼び出しに使われた電話や、公民館など公共の場にあった電話の横に置かれていました。公衆電話のお金を入れる箇所が、外付けだったという感じでしょうか。公衆電話の普及とともに消えていったと思うのですが、電話料金箱は種類が多数ありますから、当時はそれだけ重要があったのでしょう。

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ご紹介するのは、あまり見ないタイプの電話料金箱で、木とセルロイドでできています。暗めの水色に金色の文字という組み合わせが、とても気に入っていて、文字の書体も昭和レトロといいますか、懐かしい感じがします。大きさもいろいろがありますが、これは小さいほうで、高さ13.5センチ、横幅7.5センチ、奥行き4.5センチです。電話機の横に置かれたり、柱などに掛けてあったのでしょうね。でも、見るからに簡単に盗まれてしまいそうな小さな箱です。当時は盗難被害とかなかったのでしょうか? まったくなかったとは思いませんが、それでも電話料金箱の存在を思う時、当時の人たちが電話を切ったあとに、きちんとお金を入れていた様子が思い浮かびます。そして、電話が今ほど身近で簡単に使える物でなく、貴重な存在であったことが偲ばれるのです。

お知らせ
プラスチックでできた電話料金箱とご紹介していましたが、セルロイド製でしたので、セルロイドに訂正しました。詳しくは、"No.28 電話料金箱という存在を教えてくれた、木製電話料金箱"をご覧ください。

ご案内
1月22日(土)から26日(水)まで、豊島区目白にあるアンティークショップ、布と玩具 LUNCOで、「振袖、訪問着そしてうさぎ」と題して、うさぎ柄の着物、帯、帯留、帯〆、布、うさぎの玩具などを販売されます。
LUNCOのオモシロ着物柄 (Marble books)古いモノを商う人を見ていると、パワフルな方が多いのですが、LUNCOのオーナーであり、『Luncoのオモシロ着物柄』(Marble books発行)の著者である永田欄子さんも、半端じゃないくらい元気な女性です("その49 『Lunco』と『小さなレトロ博物館』、着物だらけの1週間"参照)。集まってくる着物も、とてもおもしろいモノばかりで、よく底をつかないものだと思うのですが、それだけ着物の歴史は、奥が深いということなのでしょう。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

さえきあすかの本

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