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「定食ニッポン」タイトル

焼きそば屋

第41回 札幌シリーズ(2)…
大通駅で「焼きそば」大爆発!

畸人研究学会今柊二


焼きそば 実はいろいろあって札幌は年に一度は訪れる。そのたびに食べようと思っていつもチャンスを逃していた店があった。それは地下鉄「大通」駅の地下通路にある焼きそば屋(大通り店)だ。地下鉄の駅がクロスし、地上には大通り公園および繁華街がひろがるこの界隈は、札幌の中心地であり、当然通りすがりのサラリーマンも多い。そのため、地下にもディスカウントショップやらドラッグストアやらがあり、かなり活気があり、「当たり」の雰囲気を漂わせるランチスポットも数多く見られるのだった。なかでも、このやきそば屋は、地下通路においてあるディスプレイが実に強烈であった。写真のように爆発的な量をあらわしているのだ。これはもうとてもそそりますね。ただし、大通りのあたりは繁華街であるため、観光客も多く、入ると深く後悔してしまう食事スポットもなくはない(特にラーメン屋は悲惨な店がかつては多かったよ)。そのため、このディスプレイも観光用かなと思ってみたりもしたのだが、値段が300円前後からと、とても観光用にボる値段ではない(笑)。それに、今回は運よく昼飯時の12時30分にこの焼きそば屋の前を通りかかったため、意を決して入ってみることにした。当然ご飯食べに旅にきているわけではないので、結構タイミングが難しいのよ。
 地下通路から一階分上がって、ビルの地下部分にその焼きそば屋があった。見た瞬間、これは完全な「当たり」でした。なぜなら、数多くのサラリーマンやヤングたちがカウンターにびっしり座って「ズズズズ!」と一心不乱に焼きそばを食べていたからだ。こちらも武者ぶるい! 「頼もう!」というかんじで食券の機械に並ぶ。するとメニューがあまりにもありすぎて圧倒される。もっとも安いランチは410円だったが、これはさすがに売りきれ。それ以外にAセット、Bセットなどあり、数十円足せば、大盛りやらジャンボにできる親切さ(笑)。悩んだ結果、Aセットのジャンボにする。520円+20円。カウンターに着席すると、とても異様な雰囲気。目の前にスゴイ数のソース。カレー味、焼肉味、キムチ味など、さまざまな味がある。

ソース

焼きそば

「?」と思っている間に焼きそば登場!焼きそば+野菜いため+シーフード(エビ・イカ)+サラダ(千切りキャベツ)+目玉焼き+スープというスペシャルな品そろえ。まずは焼きそばを一口。うん? 香ばしいが、味が薄いな。…と思ってとなりのおやじを見ると、ガンガンに目の前のソースをぶっかけて味を調整している。なるほど、ここは味を自分で調整する店だったのだ。またソースのほかにも、マヨネーズ、紅ショーガ、緑色の粒状ピクルスなどがあり、それも投入し、さらに野菜炒めもシーフードも全部ぐちゃぐちゃにして食べるのが作法のようだ。私もソースを複数かけ、ショーガとマヨネーズも投入して全部をガキガキグルングルンと混ぜる。すごい食べものになったよ(泣)。そこで一口。…スゴく複雑なうまさが口のなかにひろがる。まさにジャンキーですね。さらに店内はおやじが焼きそばをひっきりなしに焼いているので熱気があり、汗も出てくる。そのため汗まみれになりつつひたすらガキンガキンと焼きそばの摂取活動にいそしんだのだった。麺の素朴さ、圧倒的な野菜の存在感、アクセントのおいしいシーフード。うーん、すごい満足。…いやあ、この店は中毒性が高いわ!


お知らせ!

本連載「定食ニッポン」をまとめて大幅に加筆した「定食バンザイ!」がちくま文庫として、5月12日に発売されました! ぜひともよろしくお願いします。発売一週間で重版になるという異様な売れ方をしています。現在三刷までいきました。

「定食バンザイ!」


2005年6月9日更新
ご意見・ご感想は webmaster@maboroshi-ch.com まで


[定食ニッポン]
第40回 札幌シリーズ(1)…「ホンコン焼きそば」のナゾ
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