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水郷の町、千葉県佐原茨城県潮来へ行ってきました。ゴールデンウィークの話です。大好きな土地なので、毎年数回訪れており、舟に乗ったり、神社にお参りをしたり、潮来にある、お気に入りのイタリアン・カフェ"陽だまり"で、美味しいピザやパスタをいただきながら、常陸利根川を眺めていると、日常から遠く離れて、のんびりした気分になり、「また頑張ろう!」なんて、元気をもらえるのです。そして、広大な土地を眺めながらドライブをするのですが、今回は、今までとは違いました。東日本大震災での被災状況は、私の想像を超えたものだったからです。


最初に日本地図をつくった方として有名な、伊能忠敬さんの故郷である、佐原を訪れました。佐原といえば、古い町並みが残った美しい所ですが、ほうぼうの屋根瓦が崩れ落ち、ブルーシートが被せてありました。"重要伝統的建造物群保存地区"に指定された古い蔵なども被害にあっており、これらを修復するには、ずいぶん時間がかかるのではないかと思います。一番驚いたのは、舟で何度も通った小野川の河口部分です。液状化現象で川底の土が盛り上がり、土の上に舟が乗り上げているのです。川の両側の塀も、電信柱も斜めに倒れ、近辺の民家も傾いている様子に、まるで、地中を大きな生物が走り抜けた後のようだと、息を呑みました。今さらながら、地球も生きているのだと思わずにはいられません。

けれど、町として頑張っていこうと、舟は通常通り運行され、土が盛り上がる手前まで近づいてくださり、今後小野川の復興がいかに大変か、船頭さんが話してくださいました。ブルーシートをかけながらも、街道沿いのお店はしっかり営業しておられ、昔ながらのたい焼きを食べて、日高昆布が練り込んであるという、名物の"黒切りそば"を美味しくいただき、油茂製油の"玉絞めごま油"を求め、古書や郷土誌を買い、忠敬橋の近くにある骨董屋で、ガラスのコースターとお盆のセットに出会いました。水色の地に鳥と花が描いてあるモノです。オウムっぽいカラフルな鳥のせいか、和物というより、ちょっとオリエンタルな感じがしますが、佐原で出会ったのがご縁と思い、つれて帰ることにしました。余談になりますが、つい先日、似たようなセットを、びっきさんが紹介しておられます。波千鳥が描かれた可愛らしいモノで、この類も本当に種類が多く、何パターンあるのかわかりませんが、コースターが小さめであることから、昭和初期あたりにつくられた、細めのコップが一番似合うと思うのです。そういえば、佐原では毎月第一日曜日に、八坂神社の境内で"小江戸佐原の骨董市"を開催しておられるそうです。機会があったら行ってみたいです。

次に向かったのは佐原から利根川を挟んで、対岸にある十六島です。サッパ船で巡る"十二橋巡り"が有名で、"あやめ祭り"には、たくさんの人が訪れます。今の季節は蛙の鳴き声と、田植えがはじまったばかりの美しい田園風景に、のんびりとした、すがすがしい気持ちになるのですが、今回は違いました。田んぼの間に建つ電信柱が、斜めに倒れているのです。道路には亀裂が走り、水道管が破損したのか、仮の管が付けられていたり、渡れない橋はあるし、民家の屋根もブルーシートがかかっていました。そんな状況だからでしょうか。今年は鯉のぼりがいません。十二橋もいろいろ被害がでているようですし、昨年同じ日に訪れた水郷を思うと、やるせない気持ちになりました。けれど、このように大変な状況でも、あやめ祭りは開催されるそうです。一時はやめようという話もでたそうですが、頑張ってやりたいとのお話でした。


それにしても、屋根瓦の交換は、5年待ちという話もでているとか。なので、瓦は高いし、今風の屋根に替えたいと、女船頭さんがいわれます。確かに瓦は高いんです。うちも実家の瓦を替えた時には、正直びっくりしました。けれど、陶器の瓦の美しさは、なんともいえない風情があります。関東は黒い瓦を多く見ますが、山陰のほうは茶色の瓦が多く、地域での特徴もあるように思います。列車の窓から眺める屋根瓦の美しさは、日本の町並みとして残ってほしいと思うのですが、今回のような大きな地震を経験すると、難しいのかも知れません。

最後に、香取神宮をお参りして帰ることにしました。1日も早く、被災地の皆さんの気持ちと、被災した土地が元気になることを祈ります。神宮も灯篭が、たくさん倒れていましたが、本殿は無事で、ホッとしました。参道のお店も営業しておられ、毎回立ち寄る"和茶房うの"に入り、外にあるテーブルで、新緑を眺めながら、カフェオレとお団子をいただきました。参拝した後にいただくせいか、とても美味しいです。お土産に石尊堂の"ピーナツ太郎"などをまとめて買い、帰路につきました。

おしまいに、佐原の骨董屋で子供用に買った、アルマイトのお弁当箱もご紹介します。未使用というのが嬉しく、しっかり使いたいと思います。

おまけです。11ヶ月になりました。

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宮城県のアンテナショップ"宮城ふるさとプラザ"が、池袋にあることを、テレビで知りました。アンテナショップというと、銀座や有楽町、東京駅周辺など、赤ちゃんと一緒だと、行きづらい場所にあると思い込んでいた私は、池袋にあるのなら、もっと早く行けばよかったと反省。さっそく行ってきました。まずもって驚いたのは、想像していたよりも充実した品揃えだということ。微力ながら応援するつもりできたのに、たくさんの商品から、東北のパワーを感じることができて、逆に元気をもらいました。品薄の納豆も並んでいます。"川口納豆"です。パッケージに書かれた「村松博士製法」の文字を意識しつつも、"白松がモナカ"は、上品なお味で美味ですし、"陣中"のスモーク牛たんも美味しくいただき、"佐藤清治製麺"の白石温麺も、パッとゆでて、野菜と一緒にサラダにして、美味しくいただきました。そして、こけし通信筒と、仙台七夕のストラップも買いました。七夕の頃には、もっと元気になっていて欲しいと願いながら‥‥。

今回ご紹介するのは、ひと昔前の"こけし郵便"です(私は昔からそう呼んでいるのでした)。骨董市で、こけし郵便を見つけた時は、とてもロマンチックな感じがして、感激したのを覚えています。そして、今も販売されていると知った時は驚きました。裏面には「登録出願中」の文字があり、底の栓を抜くと、楊枝のような木が刺さっていて、その木にくるくると紙が巻いてあります。現在は底がネジ式で、ネジと紙が別になっていますから、書きやすく、より頑丈なつくりになったのですね。思うに、誕生日や母の日などのカードとして、使うのもステキです。特別感が増すような気がします。

もうひとつは、"箱橇っ子人形"です。子供が毛布にくるまって箱橇に乗り、こけしとおたよりを持っているという、懐かしい感じがするお人形なのです。橇の横に、意匠特許番号の札が付いていたので、調べてみると、米沢市の佐藤忠雄さんによって、昭和32年5月22日に意匠登録されており、意外と新しい玩具だとわかりました。それにしても、「橇」って難しい漢字ですね。思うに「ソリ」を漢字で書いたのは、はじめてのような気がします。ソリで遊んだ経験はありますが、あまりいい思い出はなく、どうも私は、ソリ、スキー、スケートという冬の遊びは苦手です。雪を見るのは好きなのですが。けれど、この箱橇は楽しそうだと思いました。毛布にくるまって乗っていればいいわけですから(?)。

おしまいに、お人形が持っているおたよりの文面をご紹介します。このおたよりは、縦3センチ、横8センチの細長い紙に書いてあり、小さく折りたたんであります。箱橇と毛布の間にさしこんであったので、よく残っていたと思うのです。これを読むと、雪国東北の暮らしぶりと、忍耐強さが伝わってきます。東北は冬の訪れが早いです。どうかどうか、雪が降りはじめるまでに、被災地の方々が、あたたかい場所で暮らしておられますように‥‥。

おたより
とおい お山が まっしろなぼうしを かむって さむいかぜが 雪のまちのとおりを ふいてとおると みんなは 木でつくったハコゾリを出して おつかいをしたり こもりをしたりして あそびます。
さむいかぜで ほおは いつも まっかですが いつも げんきなのです

宮城ふるさとプラザから‥‥。




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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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