気になるお店の最近のブログ記事

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むずかる娘をお腹いっぱいにさせて、娘のふくれっ面に笑顔が戻った後は、ふたたび会場へと戻り、ある骨董屋さんのブースを目指しててくてく。

実は、昨年骨董屋さんをオープンされた方に、ご挨拶をしなければ‥‥と思っていたのです。それも、長年お世話になっているコレクターの大先輩、入山喜良さんのご子息が開かれたお店なのですから、なおさらのこと。年末に開店ご案内のおハガキをいただきながらも、まだお店にうかがえていなかったので、この機会にお訪ねしておこうと思ったのです。

お店の名前は「time capsule」。そうそう、いただいたご案内のハガキがとても素敵だったので、先にご紹介しますね。3種類あり、どれも品物や店舗の写真がキレイで、うっとりさせられます。
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それにしても、お世辞にも景気がよいとはいえないこの時期に、骨董屋さんをオープンするなんて! と驚いたのは、私だけではないと思います。がんばっていただきたい、また近いうちにおうかがいしたい、という思いもこめて、ご紹介させてください。
240-6.jpgコレクター、特にその道で有名なコレクターである場合、奥様やお子さんなど、ご家族に理解してもらえないというお話は、身近な方でも少なくなかっただけに、入山さんご一家はまれな例だと思います。入山さんはお幸せだなぁ‥‥。

そんなことを考えながら、ブースを訪ねてみると、奥様もおられたのでビックリ! だって奥様とは、阪神・淡路大震災より前にお会いして以来なので、約20年ぶりです。
「ここでお会いできるとは思っていませんでした!」大げさですが、私的には感動の再会でした!

以前、親しくしていた京都の骨董店のご主人と、入山さんのお宅へ遊びにうかがって、その際奥様にお会いしていたのですが、その京都のご主人が亡くなられたのが、阪神・淡路大震災の翌年。この20年のさまざまなことが思い出されて、感慨深いものがありました。


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前置きが長くなってしまいましたが、肝心のお店は、息子さんご夫婦がやっておられるそう。2人にお会いした印象は、とても穏やかで優しい雰囲気の方で、写真で拝見したお店や品物ともしっくりとして、なんだか嬉しくなりました。
そうそう、せっかくご紹介させていただくからにはと、お店の写真もお願いして、送っていただいたのでご覧ください。最近開業されたとは思えない、懐かしさにあふれた素敵な店構えですね。
 
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若いころは、雑誌などでアンティークショップの特集が組まれると、さっそく感化されてワクワクしながら見て回ったものです。今のように、簡単にネット検索できるようになると、私の場合なぜか、逆に腰が上がらなくなったというか、いつでも行けるような気持ちになってしまったのか、なかなか出かけなくなってしまいました(育児で余裕がないのが、一番の理由ですが)。 
 
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入山さんご一家と、ブースでいろいろなことをお話しし、また品々を見せていただきながら、楽しいひとときを過ごさせていただきました。近々時間を作って、お店を訪ねてみよう!

昭和アンティーク  time capsule ~タイムカプセル~
【住   所】 〒240-0067 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台21-23
【営業時間】 11:00 ~ 19:00
【休 業 日】  月曜(定休日)・第三土曜日(やまと骨董市出店)


次につづきます。
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前回につづいて、骨董ジャンボリーでのお話です。

会場に入ると、まずは昔からお世話になっている、古道具月天のTさんのもとへ。昨年は時間が取れずお会いできなかったので、ひさしぶりの再会です。お元気そうな姿を見て安心しつつ、つもる話に花を咲かせながら、モノたちを楽しく拝見しました。

その中で、以前にもご紹介しました「クラブ美身クリーム」なる箱入りのビンが目につきました。もっていないビンです。

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紙箱はボール紙の生地で、小さなラベルを貼り付けただけの、ちょっと地味な感じのもの。でも、戦前~戦中のものにしては、状態は悪くありません。 

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ビンはパッと見、乳白色の顔料を混ぜたガラス製のように見えますが、陶器でできています。

箱の雰囲気や、黒いベークライト製のフタからもお察しのとおり、物資が不足した時代の、代用材料を使った化粧ビンなのでした。Tさんによると、未使用のままで、数がまとまって出たとのこと。状態もよく、嬉しくなりました。 

ちなみに、箱、フタ、ビンとも、製造元や所在地の表記はありませんでした。代用品時代のこととて、ラベルの面積も限られたので、書く内容も、極限まで削ったのかもしれません。

ンのラベルには「HORMONE"CLUB"CREAM」、「ムーリク身美ブラク」、「有含ンモルホ合綜」と、3行の表記がありました。「総合ホルモン」? はて、どんな成分なんでしょう?

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ただ今マイブームの、セピア色写真でも一枚、パチリ。戦前の広告写真の気分で。

この世に生まれてから、少なくとも70年という長い時間を経て、私の家に来たビン。いつものことですけれど、しみじみ不思議な感覚におそわれます。


古道具月天さんのブースも撮らせていただいたので、ちょっとご紹介。

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ガラス器たちが電灯にキラキラして、とってもきれい。曇りガラスのやわらかな照明は、モノたちの魅力を一段と引き立ててくれます。ケース内外の配置一つ一つに、Tさんの古いものへの愛情が感じられて、楽しくなりますね。

それにしても、骨董ジャンボリーのわずか3日間のために、これらの商品すべてを梱包し、展示するのですから‥‥。本当に大変な作業だなぁと、思わずにはいられません。今回は屋内ですが、露天の市では、さらに雨風の心配もしなければなりませんから、本当に頭が下がります。

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もっとゆっくり眺めていたかったのですが、「お腹すいた~!」の娘のひとことで、現実に引き戻されて、後ろ髪引かれる思いでブースを離れ、レストランへ。‥‥まぁ、想定済みです。電車も2回乗り換えたり、たくさん歩きましたから、お腹もすいたのでしょう。


次につづきます。

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6月5日に梅雨入りしたとたん、東京は途切れなく雨が降り続き、洗濯物を外に干すこともかないません。その前は30℃越えの暑さが続いていたこともあって、心身ともになんとなーく疲れがたまってしまう昨今。

そんな雨降りの7日、根津にあるギャラリー・マルヒさんへ行ってきました。そうです、以前ちらりとお知らせしました、エキスポさんの個展を拝見しに行ったのです。 

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しっとりと雨に濡れた路面に、「MARUHI」さんの看板が出ていました。 

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看板の矢印にしたがって、狭い路地に入っていくと、軒先に丸に「ヒ」の看板が‥‥。 

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建物の懐かしい感じのする佇まいに、ちょっとほっとして。 

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年代を感じる木造家屋に感激しつつ拝見。窓ガラスに貼られているのは、どれもエキスポさんにあったモノたちです。 

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モノたちが、現物ではなく写真で展示されている様子に、これらがすでに想い出になってしまっていることを感じ、なんともいえない気持ちになります。 

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そして、奥には、火事の様子を写した写真と、黒く焦げたモノたちが‥‥。

店内の様子を見ると、いかに火の勢いが強かったのか、思い知らされました。

2月にお店にうかがった時に、「中を見て行く?」とオーナーに声をかけてもらいましたが、見ることができませんでした。でも、こうして写真で見ると、悲しいとか、ショックという気持ちよりは、なんともいえない迫力に、不思議な感覚になったものです。 

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火事にあわれてから4ヶ月、よくここまで整理し、形にされたと脱帽です。 

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エキスポさんに集められたモノたちは、今まで数多くのマスコミに取り上げられ、当時を伝える貴重な資料として活躍をしてきました。 

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帰り間際、オーナーとお話することができました。

「かえるちゃん、俺はコレクションの行く末を心配してきたけど、モノのほうから終わりを選ぶこともあるって、知ったよ」

「モノたちは、オーナーをおしまいの場所に選んだのですね」

「そう思うことにした」 

 

 

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入口には、復活を望むたくさんのメッセージが‥‥。 

 

最後になりましたが、一番上に載せた写真の金属のソファーは、この日求めたモノです。宝石箱なのですが、フタを開けると、鏡を取り付けた部分は熱で溶けて固まっていて、全体もススがつき、焦げくさい臭いも残っています。私はエキスポさんの形見として、つれて帰ろうと思いました。

思えば、エキスポさんとは20年以上のおつきあいで、行くたびに楽しくて、ついつい長居してしまう、居心地のいい空間でした。このソファーのように、ふわふわとした座り心地のいい場所という感じでしょうか。いつでも当たり前のようにあって、ずっと続いていくと思っていた空間‥‥。もっと訪ねておけばよかったと、今さらながら悔やまれます。

オーナー、Aさん、ありがとうございました。

感謝の気持ちをこめて、次の発信を待っています。 

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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