気になるお店の最近のブログ記事

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今回は、少し懐かしい写真を。夕方の撮影で、なんとも不出来なのが恥ずかしいですが、昔の写真でご愛嬌ということで。

1994年11月13日に、下北沢は露崎商店さんの2階に、4軒のアンティークを扱うお店がオープンしました。その中の1つが、古道具・月天さんだったのです。露崎商店さんといえば、古建築といってもいい、モルタル壁や菱型の窓枠が素敵な建物。ドラマのロケでも、骨董屋さんとして使われくらいですから、まさにこうしたご商売にはピッタリといったところ。記憶に残っておられる方も、多いのではないでしょうか。

ここに載せた写真の日付を見ると、月天さん開店直後の1994年12月! 数えてみると、21年前になるわけで‥‥。えええええ。そんなに昔になりますか? トシをとったわけです。

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大好きだった露崎商店さんの建物も、5~6年前に取り壊され、今この一角は大きなビルが建っています。写真を撮っておいてよかったと思うとともに、同じような再開発によって消えた古い街並み‥‥私の通った骨董店や、骨董市のあった街たちが思われて、少しさびしい気持ちになりました。

そういえば、月天さんが最後のお店を構えられていた一角も、再開発にかかるとのこと。これから下北沢も、一気に街並みが変わってゆくことでしょうね。

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あのころの月天さんのお店の印象といえば、まず思い出されるのが、たくさんの時計がかなでる、コチコチという機械の音。
優しく、穏やかなこの音に包まれて、古いモノたちも誇らしげに見えたものです。思えば、今よりずっと自分の時間があったころなので、しょっちゅう訪ねては入りびたっていた気が‥‥。楽しかったなぁ。

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古い鞄の並べ方や、笠のかたちもさまざまな照明と、店主Tさんのレイアウトのセンスは絶妙で、とてもあこがれていたものです。もちろんこれですべて終わりというわけではなく、大きな骨董市には出店されると思いますが、あのお店も思い出になってしまったと思うと、寂しくなりますね。

Tさん、たくさんのステキなモノたちとの出会いの場をつくってくださり、本当にありがとうございました! 下北沢に行くのが楽しみだったのは、まちがいなく、古道具・月天さんがあったからです。お世話になりました。そして、お疲れ様でした。



【 おまけ 】
誕生日(何回目かはヒミツ)を迎えました。この1年も、心身ともに元気でいられますように。

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余談ですが、私の家の近所に住まれていた、おばあちゃまが亡くなられました。
娘が産まれてから、前を通るたびによく声をかけてくださって、エプロン姿でいつもニコニコと優しかった、「あんなふうに歳を取りたいなあ」と思わせる、素敵なおばあちゃまでした。

しばらくお見かけしないな、具合でも悪くされたのかしらと思っていたところ、先日、おばあちゃまのお家の外に、茶箪笥や小さな棚など、明らかにご年配の方が使っていたと思われる、古びた家具がいくつか置かれ、どう見ても処分される雰囲気。
さらに、おばあちゃまがいつも大事そうに手入れをされていた、たくさんの鉢植えが、家の前からひとつ残らず消え去っているのにも気づかされて‥‥う~ん。ご家族のご都合もあるでしょうから、仕方のないこととは思いますが、寂しい風景に言葉もありませんでした。

おばあちゃま、娘にいつも笑顔をくださって、ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。


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前回のお話の続きです。すでに引き払う準備が進んでいて、お店の前の道路にも、箱入りの品物が並べられていました。月天さんの「看板犬」であったビクターのキャラクター「ニッパー君」も、小首をかしげてどこか寂しげに見えます。またどこかで会おうね!

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天井から下がった、温かみのあるガラスの電球笠、懐かしくなるような匂いを放つ、木製の什器たちが並ぶ店内‥‥。私を古いモノの世界にいざなってくれた、なじみ深いお店ともこれでお別れと思うと、何とも言えない気持ちになります。

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気をとりなおして、月天さんで見つけたモノをご紹介しましょう。

最近お気に入りの、セピアモードで撮影すると、まさにアンティーク! という感じの羽ペン。私が小さいころに愛読した漫画、「キャンディ・キャンディ」を思い出してしまいます。当時小学生の私は、キャンディが羽ペンにインクをつけて手紙を書く姿に、とてもあこがれていました。
カラーで撮ってみると‥‥。

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ご覧のとおり、羽がとてもカラフルに染め上げられていて、古そうな雰囲気は薄れましたが、可愛らしくて気に入りました。

ペン先から持ち手の筒に至るまではガラスの一体パーツで、筒の中にはお飾りなのか、銀紙が巻かれて入っています。うち1本には、根元の部分に「MADE IN JAPAN」の小さなラベルが、はがれかけながらも残っていました。もちろん羽根は本物です。そうそう、以前ご紹介しました、ガラスペンも筒の中に紙が入っていましたが、その紙には広告が書いてあり、驚いたっけ。

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鉛筆やボールペンのつもりで、筆圧をグッとかけてしまうと、たちまちポキリといってしまいそう。使い手にも繊細さが要求されそうなのも、どこか「キャンデ・キャンディ」の雰囲気に近いものが感じられて、そおっとつまんで、しみじみ眺めてしまうのでした。

何でもパソコンやスマホでできてしまう最近は、手紙なんてめったに書かなくなりましたが、先日、娘の幼稚園のお友達の誕生会に行くにあたり、娘と二人で手づくりのお誕生日カードをつくりました。色鉛筆やサインペンを握るのも、本当に久しぶりです。
鉛筆や模造紙の感触に何かを呼び覚まされたのか、思いのほか凝ってしまい、色紙や娘の描いた絵をノリで貼るなどして、楽しい時間を過ごすことができました。既製品のカードも素敵なものがたくさん出ていますが、たまには手づくりのカードもいいものですね!

つづく

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1月28日水曜日、久しぶりに娘を連れて下北沢へ行ってきました。

下北沢の駅は、地下駅への改装をするためあちこちで工事をしていて、まるで迷路のよう。駅が変わると、周囲の街並みも変わって見え、なんだか私の記憶にある下北沢とは、ちがうところへ来た感じがしました。

今回は、変化の真っただ中にある下北沢と重なるような、さびしいお知らせです。

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長年のお付き合いだった古道具・月天さんが、下北沢から引っ越しされることになりました。今のお店が入っている建物が、新しく建て替えられることになったためです。人気もまばらな水曜日の午後、娘の手をひきながら、道の左側に見えてきた月天さん、訪ねるのも今回が最後になると思うと、しんみりしてしまいます。

店内をのぞくと、もうかなり整理されていて、壁面の大きな家具も撤去されていました。薄暗い店内なので、娘は入るのを嫌がるかと思いましたが、てくてくと入っていき、勝手に椅子に座り、きょろきょろ眺めています。店主のTさんは娘に「よくきたなぁ」とニッコリ。

思えば私にとって、下北沢は、アンティーク、古道具、ガラクタとの出会いの街でもありました。月天さんの他にも、木曜館、あんてぃかーゆは必ず訪ねたもので、この3つのお店で出会ったモノは数知れず‥‥。

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そんな古道具・月天さんから、今回連れて帰ったのは、ご覧のセルロイドの金魚さんです。

こげ茶色の渋い棚の上に、眠たげななんともユーモラスな顔で鎮座しており、色合いがカラフルだったこともあって、真っ先に視界に飛び込んできました。

もちろん、娘も見逃しません。「金魚さん、金魚さん」と話しかけています。顔があまりにも現代的(?)なので、ビニール製かと思い、手に取ってみると、ふわっと軽いセルロイドでできていて、ビックリ! 案外古い金魚なのですね。

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このふてぶてしい(?)、とぼけたような表情に、娘も大喜びです。

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底には、「JAPAN」の刻印もあります。全長は15センチ。

金魚さんに喜ぶ娘を見ながら、いつか、この金魚を見るたびに、下北沢の月天さんを最後に訪ねた、この日の光景を思い出すのかなぁ‥‥なんて、しみじみ。この他にも、ステキなモノたちをいくつかつれて帰りましたので、次回からご紹介したいと思います。

(つづく)

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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