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里帰りの話の途中ですが、11月17日(木)から21日(月)まで、東武百貨店池袋店8階にて、"池袋アンティークマーケット"が開催されました。最終日に行きましたので、その話を少し‥‥。本当は、土日に行けば8階屋上スカイデッキ広場にて、2日間限りの"大江戸骨董市in池袋東武"も、開催されていたのですが、残念ながら行くことができませんでした。でも、とにかく顔をだしたいと思った理由のひとつは、目白にお店を構えるランコさんが出店していたからです。案内状を送っていただき、ひさしぶりにお会いしたいと思ったのでした。

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‥‥とその前に、話が前後しますが、今回ご紹介する"東京大正博覧会記念"のブリキ製飾り皿は、以前平和島骨董市で、ランコさんのところからやってきたモノです。残念ながら、池袋アンティークマーケットでは、モノとのご縁がなかったので、こちらをご紹介することにしました。東京大正博覧会といえば、今から97年前の大正3年に、上野の不忍池を舞台に盛大に開催された博覧会で、No.24でも、ガラスでできた教育文具文鎮をご紹介しましたが、会場の建物がプリントされた、カラフルなブリキの飾り皿も売っていたのですね。何種類かあるようで、不忍池の畔にある下町風俗資料館では、図柄の違うブリキの飾り皿が展示されていました。

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手元にやってきたのは、3枚ですが、ブリキも大正時代のモノとなると、状態が悪いモノが多いのです。でも、この3枚は裏面もピカピカで状態がよく、嬉しい出会いだったことを覚えています。ランコさんって、着物をメインに商っておられますが、ガラクタも大好きで、おもしろいモノを掘り出してこられますよ。

まず1枚目に描かれた建物ですが、工業館と思われます。そして2枚目は美術館。3枚目は不忍池全体を描いた第二会場です(東京大正博覧会 絵葉書を参考にさせていただきました)。当時、博覧会会場で、ワクワクしながら、これらのお土産を購入していた様子を想像すると、なんだか楽しくなりますし、そんな博覧会が開催された土地を、97年後に、自分が散歩しているのだと思うと、これまた不思議な気持ちになるのです。 

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不忍池といえば、故郷から帰ってきて散歩にいったら、すっかり秋になっていました。木々の葉は赤くなり、水鳥も増えています。 夕方に撮影したのですが、陽も短くなりましたね。東京では、夕陽をさえぎる高層ビルが多いので、余計に短く感じます。

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話を池袋アンティークマーケットに戻しまして、東武デパートに入ると、ほうぼうに飾られていたのは、キラキラと輝くクリスマスのディスプレイです。もうすぐ12月ですもんね~。今年も残り少ないことを感じながら、8階の会場に入ると、アンティークのクリスマスグッズや玩具、アクセサリーに、和骨董、そしてたくさんの着物の前に、ランコさんがいました。「ランコさん、ひさしぶり!」って声をかえると、満面の笑みで、「なによ。ひさしぶりって、軽くいってくれるじゃない!」とひと言。普通の会話なんだけど、ランコさんが話すと妙に色っぽく感じるのは、声のトーンなのだと気づきました。例えるなら峰富士子に似ているかも。そんな発見をしつつ、短い時間でしたが、楽しい時間を過ごせました。

 

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10月16日日曜日、大江戸骨董市へ行ってきました。それも、1人で、です。時間の都合で、30分しか見ることはできませんでしたが、娘と離れて行動するのは、ひさしぶりなので、抱っこ紐をつけていないお腹あたりが、スースーするなと思いつつも、いっきに会場をまわることができました。‥‥といっても、着いたのは午後2時。会場はたくさんの人であふれかえり、まぶしいほどの太陽の光が、射しこんでいました。それも、気温は30度。前回きた時は、とても寒かったのに、今年の天候は極端なことが多いです。 

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強い陽射しは、光と影のコントラストを鮮やかにしてくれ、木々の下に並ぶモノたちを、カッコよく照らしていました。パパッと写真を撮らせていただいたのですが、なんだか、東京じゃないみたいです。会場には、古いモノ以外にも、古布でつくられた手づくりのモノや、油絵などが売られており、ふらりとまわるだけでも、本当に楽しいし、娘の心配をしなくてよいので、いい気分転換になりました。

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ただ、時間がなかったので、じっくり見ることはできず、谷中ひよこ堂に並んでいた、積み木だけ買いました(残念ながら、オーナーには会えませんでした)。昭和20年代のモノだそうです。未使用な上に、色合いが独特で、可愛いと思ったのです。当然、娘用ですよ(?)

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メーカーは「WADA GANG」。箱の左下に小さく書いてあります。残念ながら住所は書いてありませんが、神奈川県小田原市にある、"株式会社ワダガング"の商品でしょうか? ワダガングの創業は大正6年と古く、木製玩具の老舗です。現在も、木製ゲームや教育玩具、インテリア雑貨などを、すべて社内でつくることができる、木製品総合製造メーカーとして、頑張っておられます。そんなワダガング製なら、ちょっと嬉しいです。実は、以前銀座で、ワダガングのゲームを見ました。木製なのに精巧なつくりで、玩具なのに、インテリアとして飾ってもカッコイイデザインに、旦那サンと「欲しいね~」なんて、話していたからです。

商品名は「Card Play いろはあそび」とありますから、積み木というよりは、文字を覚えるためのカードの要素が強いのかも知れません。でも、パッケージには、子供たちが積んでいる様子が描かれていますから、一石二鳥の玩具なのでした。裏面にはカタカナとローマ字が書いてあるのもポイントで、木目がいろいろあるのも、味わいがあっていいですね。「いろはうた」も、最近口にしたことはありませんが、「いろはにほへと ちりぬるを  わかよたれそ つねならむ  うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす」でした。残念なのは、切り口がギザギザな積み木が、数個あること。時代が感じられて、コレクションとしてはいいのですが、娘が口に入れないように、気をつけたほうがよさそうです。

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そして、箱の横には「MATSUBISHI」の「110円」と書かれた値札が貼ってあり、「30.7.1」の日付スタンプも押してあります。「MATSUBISHI」といえば、松菱百貨店のことです。静岡県浜松市にて昭和12年に創業し、平成13年に倒産しました。ほかには、三重県津市に、昭和30年10月に、大門百貨店を継承して創業をはじめた松菱百貨店もありますが、スタンプの日付から、浜松の松菱百貨店で取り扱っていたと思われます。

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余談ですが、娘は最近、物をよく投げます。引き出しを開けてポンポンと‥‥。今のところ、古いモノに被害はないのですが、いえ、正確には骨董市で小鉢が割れたし、自宅でひとつ壊れました(幸い修理可能です)。成長過程の行動だと思いますが、私もこんな風に投げたのでしょうか? 記憶にありませんケド。ただ、実家には、ゴチャゴチャと物は置いていなかったし、母は仕事に出ていて、祖母に育てられましたから、私はいつも畑にいたそうです。だとすると、投げたのは野菜とか石ころなのかも知れません。家の中で、物を投げて困ったとは、聞いたことがありませんから。積み木は、投げても壊れませんから嬉しいです。

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そんな娘ですが、最近になって、自然と物を積むようになりました。たとえば缶詰とか缶ジュース、小さな箱などなど。真剣に積み上げている様子を見ていると、積み木って、子供の本能(?)としての行動から生まれた玩具なんだと、しみじみ思います。「いないないばー」にしても、子供が覚えやすい言葉が絵本になり、歌もそうやってできてきたのだと‥‥。娘のおかげで、古い玩具に対して、今までと違う目線で見ることができるようになりました。

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 古いモノではありませんが、油絵って並んでいるだけで、絵になりますね。絵なだけに(‥‥‥)。

 

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散歩の途中に、石ころが敷いてある場所があります。娘は石ころが好きなので、「お~」といいながらしゃがみこみ、両手で石ころをはらいながら遊びはじめました。すると、下の方から小さな緑色をしたガラス欠片が、キラリと出てきたのです。思わず、子供の頃に、実家近くの海岸で、波に流されて角のまるくなった、色とりどりのガラスの欠片を、宝物のように、喜んで拾っていたことを思い出しました。「海岸に来たみたい」、そうつぶやきながら、ガラスを取り上げると、なんと、おはじきでした。それも、最近つくられたモノではありません。

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直径は約15ミリ。写真だとわかりづらいのですが、パーをした手が描いてあります。石ころにまじっていたために、細かい傷があり、パーも薄くなっていますが、運命の出会いだと思いました。だって、古いモノ好きな私でなければ、気にも止められず、ずっと石ころにまじったまま、やがて割れてしまったと思うのです。まさに、宝物を発見した気持ちになりました。それも娘と一緒にです。すっかり嬉しくなった私は、大好きなジュエリーショップのオーナーに相談したら、ペンダントトップにしてもらえるかな‥‥。なんて思いつつ、娘との散歩記念につれて帰ることにしました。

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家に帰ると、手模様のおはじき、あったよなぁ~と思い、探してみました。ありました。マーブル模様のおはじきに、手が描いてあります。カラフルな色と、いろんな形をしたおはじきには、グー、チョキ、パーが描いてありました。ひさしぶりに見たのですが、やっぱり可愛いですね。このおはじきは、数年前に石蹴りやおはじきを集めていた、同世代のK嬢の影響で、一緒に求めたモノでした。当時練馬にあった古道具・月天や、今はなき池袋骨董館で、よく待ち合わせをして、モノの話ばかりしていたっけ‥‥。

そうそう、"ガラス集めてみました"のびっきさんも紹介しておられたなぁと思い、さっそく検索してみると、ありました。拾ったおはじきと似ているのは、"変わった、おはじき"の中で、2番目に紹介してあるモノです。もちろん色は違いますし、こんなに状態もよくありませんが、足のような手が描いてあるからです。マーブル模様のおはじきも、"ジャンケンおはじき"として紹介しておられました。 

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そういえば、落ちている(?)モノつながりで、最近意識したモノがあります。近所の木造家屋が、どんどん解体されてるのです。解体途中の現場に、以下のような古い壺が置いてあり、見るからに古そうなので、手に取ってよく見たいなぁと思い、業者の方に尋ねようかと悩んだのですが、お忙しそうなのでやめました。けれど、古くからこの地に建っていた、大きなお家でした。解体される前には、書籍や古物などを引き取る業者さんも入っていたほどです。仕方がないこととはいえ、まわりにあった大きな木々もなくなりましたから、また街並みが変わります。少し寂しいです。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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