文房具の最近のブログ記事

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9日の日曜日、富岡八幡宮骨董市に行ってきました。本当は、東京ビックサイトで開催している骨董ジャンボリーに行きたかったのですが、しばらくは無理なので、まずは近場からと、家族3人で門前仲町を目指しました。ところが、甘かった! 初詣のお客さんと重なって、ものすごい人なのです。嵐やAKB48の写真がぶら下がった屋台が並ぶ光景は、"今"を感じて微笑ましく眺めつつも、境内の片隅に追いやられた骨董屋を見つけるのも、近づくのもままならず、なんとかたどり着いたお店で、視界に飛び込んできたのは、旭日でした。それも中心に「發」の文字があります。

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「發‥‥ハツ、これはもしや初日の出という意味?」
いきなり脳内で変換されて、手に取ったのは小さな缶でした。下半分にはローマ字で「TRADE MARK ASAHIHATSUMEI KOGYOSHA」と書いてあります。「發」と「旭日」がトレードマークの旭発明工業社の缶なのです(社名の文字は「発」になっています)。今年はじめて行った骨董市で、なんだか縁起がヨイ出会いです。"皇紀2599卯年のカレンダー"に続き、手を合わせて拝みたくなるような、ありがたい日の出(?)を見させていただきました。それにしても、見れば見るほどインパクトのある缶ですね。元気をいっぱいもらえる気がします。考えてみると、「発」という字は、発明、発進、発信、出発、利発、活発など前向きな言葉が多いからでしょうか。旭日と合わせると、気合い充分な感じがするのは私だけ? 「發日の出」は‥‥少し強引かな? 気に入ったんですけど(すみません)。

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肝心な中味ですが、強力接合剤。大正時代の接着剤と思われます。商品名は『キングスターチ』。クローバーのキングのトランプが目印です。よく見ると下の方には桜の花びらが舞っていて、見れば見るほど、めでたい缶ですが、用途は、「木竹、金属、陶器、硝子、石、皮革、ゴム、セルロイド等何品ニテモ固着セザルモノナシ」と書いてあり、なんでもくっつけることができるわけです(本当かな?)。必要な量の粉末を水に溶かして使用するとか。ちなみに会社は横浜市鶴見区にありました。接着剤といえば、旧サイト"その37 「更生の友」と「ナオール」こと、60年前の接着剤の巻"でも紹介しています。接着剤の商品名として、「更生の友」、「ナオール」も、おもしろいです。

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キングスターチは大小2種類売っていて、ついつい2ツ買ってしまいました(大:直径4.3センチ、高さ5.9センチ。小:直径3.5センチ、高さ5.3センチ)。めでたさの重複ということで(?)
‥‥ご愛敬。ほかのお店も見たかったのですが、はじめて見る縁日に驚いたのか、赤ちゃんがぐずり出しまして、御本殿にも行けず、西参道を抜け、深川不動尊を突破し、逃げるように人ごみを脱出しました。一息ついたのは深川東京モダン館です。江東区の観光案内所なのですが、もともとは、昭和7年に建てられた東京市深川食堂の建物でした。"モダン館"の名前のごとく、モダンな建物で、休憩するにはもってこいの場所です。この日は梅昆布茶の振る舞いがあり、美味しくいただきました。余談ですが、こちらでミニ骨董市やミニ古書市を開催されたこともあるそうですよ。それにしても、この日は気温が12℃という暖かく、気持ちのいい晴天で、お散歩日和でした。そして、私にとっては一瞬の骨董市でしたが、楽しいひとときでした。

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子供の頃、卯年生まれになりたかったです。理由は、十二支の中で一番可愛かったから。申年生まれの私にとって、申はぜんぜん可愛くないし、父には「エテコー」と冗談交じりにいわれるし、母は卯年生まれなもんだから、自分のことをウサギに例えたりして、それも嫌でした。思い起してみると、日常的に干支の話は多かったです。祖母にいたっては、干支によって性格を決めつけていましたし‥‥。干支は、祖母と両親と子供を繋ぐものとして存在したように思います。そのせいでしょうか。私は年齢を聞くより先に、干支を聞くようになりました。聞くたびに「干支聞く人は、最近珍しいよ」っていわれます。

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今回ご紹介するのは、卯年のカレンダーです。嬉しいことに素性がはっきりしていて、京都の四条高倉にある大丸百貨店の名前と電話番号、休業日がカレンダーに印刷されています。大丸で販売したのか、お得意様に配られたのでしょうか? それにしても、なんて素晴らしいデザインなのでしょう。陶器でできた波の上を跳ねるウサギ2羽に、差し込み式になったカレンダー部分が神々しく、手をあわせたくなるような、見事な日の出、御来光が表現されています。"賀正"の文字もおめでたい感じでインパクトがあり、年号は"2599"と書いてあることから、神武天皇即位の年を元年として起算した、皇紀2599年(西暦1939年)だとわかります。かれこれ72年前の昭和14年のモノで、私の母と義理の父が生まれた年用につくられたカレンダーなのでした。底面には大丸の刻印があり、その年が終わっても使えるように、時間表がついているのはさすがで、子供の机に置くには、少々もったいないような、凝ったつくりだと思うのですが、横幅13センチのカレンダーは、机の上を華やかにしてくれるだけでなく、1年間を力強くサポートしてくれたのではないでしょうか。ちなみに、大丸百貨店が四条高倉に開店したのは明治45年で、当時は大丸呉服店でした。商号が大丸に変わったのは昭和3年のこと。いまさらながら、歴史ある百貨店なのですね。

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私にとってもカレンダーは、なくてはならない物のひとつです。たくさん飾った時期もありましたが、現在は毎年いただく日めくりと、シンプルで書き込みのできる特大サイズの物と、月の満ち欠けと潮の満ち引きがわかる『月と波のカレンダー』3点を飾っています。こだわっているのは、どれも六曜、九星、干支が最低限書かれていること。今日が私にとってどんな日か目安にしているのです。
妹から携帯にメールが届きました。私の赤ちゃんの話題になり、最後に「寅年だから強そうだね」と一言。
‥‥‥。

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ウサギといえば、日常使っている器の1枚が、ウサギが描かれた印判の小皿(全長10.5センチ)です。ウサギ5羽と植物が描かれた上品なデザインですが、昔のお皿って、このサイズは結構多いので、離乳食で大活躍中なのです。電子レンジにも使えますし、とても重宝しています。

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11月のある日。テレビ東京の長寿番組『レディース4』の取材で、俳優の田中実さんが、わが家にやって来ました。いやぁ、生後6ヶ月になったばかりの赤ちゃんがいる家に、取材に来ていただくとは、なんて勇気があるのかって思われるでしょう‥‥? 以前は部屋が少しでも汚れていると、人に来ていただくことに抵抗があったのに、あらあら不思議。出産後って、一皮も二皮も剥けるというか、平気になってしまいました。だって、たくさん人が来るのです。お祝いや応援はもちろんですが、はじめてお会いする助産師さんたちもそう。助産師さんには、いっさい見栄ははれません。お母さんの体調から赤ちゃんの環境まで、しっかりとチェックされるのです。そして、口ぐちにでる魔法の言葉「赤ちゃんのいるお家は、汚くて当たり前」。私もそう思います。仕方がないんです。だからいいんです(?)。頭のネジが1本抜けてしまったような気がしないでもありませんが、子供にとってもいい記念になると思い、取材を快諾したのでした。

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しかし、俳優さんって、本当に顔が小さいのですね。ドラマやコマーシャルなどで何度も拝見しているとはいえ、本物の田中実さんは、身長が184センチと高く、大きい瞳がキラキラと輝いた、とても優しい、穏やかな空気を持っておられる方でした。書籍がとてもお好きなのか、うちの本棚をジッと見ておられ、ドキドキしました。撮影中もカメラは自分の目の前にあるのですが、田中さんの瞳に吸い寄せられ、終始田中さんを見て話してしまい、テレビで放映された時には、全部横向きで笑ってしまいました。
そんな吸い込まれそうな美しい瞳を持つ田中実さんにかけまして、うっとりと眺めてしまう、まさに吸い込まれそうな、美しいガラスのペーパーウエイトをご紹介したいと思います(ちょっと強引?)。形はいたってシンプル。プロペラのデザインです。透き通ったブルーとグリーンの美しいガラスを、手に取るたびに光にかざして眺めてしまいます。ところどころに気泡がポツポツ。つくられた当時の空気を忍ばせて輝いているのですね。全長は15センチ。手でつかむには、ちょうどいい大きさと重さで、中心には小さい方位磁石がはめ込まれているという、古いモノと思えないほど、無駄のない見事なデザインです。

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テレビの話に戻しまして、どんな内容の取材だったかというと、旧サイト『駅前ガラクタ商店街』の"その58 上野「十三や」のつげ櫛の巻"でご紹介した、戦前のつげ櫛を見せて欲しいとのお話で、田中さんがそのつげ櫛を持って、十三やを訪ねてくださり、お店の歴史、職人さんのつげ櫛づくり、そして、戦前のつげ櫛の素性をレポートされたのでした。私はチラリとつげ櫛を手に入れたいきさつをお話しました。それにしても、本当に丈夫な櫛です。私が使用してかれこれ12年経ちました。でも、未使用だったとはいえ、もともと戦前につくられた櫛ですから、70年以上昔のモノなのに、まったく壊れません。壊れたら買い替えようと思っているのに、こんなに壊れないと商売としても大変だなぁと思ってしまいます。乾燥するこの季節にも静電気が起きず、髪の毛に優しいつげの櫛。私の愛用品のひとつです。そんな櫛がテレビでていねいに紹介されて、嬉しくなりました。古い櫛たちも、スタジオに連れられてスポットライトを浴び、さぞかし驚いたことと思いますが、反面とても嬉しかったことでしょう。

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撮影が終わると、田中さんにサインをいただき、赤ちゃんを抱っこしてもらって記念写真を撮りました。抱っこの仕方が、とても優しいのに驚きました。全体から優しさがにじみでている感じで、スタッフの皆様もとても親切。醸し出される空気が穏やかなせいでしょうか。大勢知らない人がいるにもかかわらず、赤ちゃんは泣きだすこともなく、安心できた撮影となりました。

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おまけ 気になる街角

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不思議な扉を見つけました。どこへ行けるのでしょうか‥‥。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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