今回ご紹介するのは、「婦人にも楽に使用出来る 新鋭強力 耐水性 耐熱性 優良接着剤」と説明書に書かれた"更生の友"です。そう、接着剤なのですが、商品名がステキですよね。接着剤の商品名というと、"セメダイン"が有名ですが、"更生の友"だなんて、なんともわかりやすい商品名に、ニンマリしちゃいました。残念ながら、更生の友の歴史は、よくわかりませんが、セメダインの歴史は古く、大正時代にさかのぼるそうです。セメダインの創業者である今村善次郎さんは、国産の接着剤をつくりたいと、イギリス製の接着剤"メダイン"などに負けぬよう、外国製品を「攻め」「出す」という意味で、セメダインという商品名をつけられたとか‥‥。
そんな興味深い接着剤の歴史について、参考にさせていただいたのが、有限会社クボタ文具店さんのホームページです。余談ですが、クボタ文具店さんは、以前住んでいた、江戸川区鹿骨にあります。鹿骨(ししぼね)って、小松菜の産地としても有名で、私の暮らしていた場所は、まわりに小松菜のビニールハウスがたくさんありました。ガスもプロパンガスで、23区内なのに、東京も広いなぁと驚いたっけ。
話を更生の友に戻しまして、説明書によると、模型飛行機の組み立てをはじめ、ベルト、靴底、鞄などの革製品、和洋家具、神仏具、骨董品、楽器、文具、陶器、玩具、硝子、漆器、自転車のチューブ、バケツ、洗面器などなど、万物接着!とのこと。そして、「接着剤の花形‥‥ナンデモヨクツク」、「資源活用・廃品更生‥‥非常時家庭の必需品」とも書かれています。発売元は、甲陽科學工業所。戦時中に発売されました。
更生の友とは、"世田谷ボロ市"で出会いました。未使用でまとまって出たのです。商品名の楽しさとお値段の安さ(まとまって出ると安いですよね!)に、喜んでつれて帰ったのはいうまでもありません。約70年も前の接着剤は、試験管のような、細長いガラスビンの中で固まっており、もちろん使用は不可能。ちなみに、ビンは全長8センチです。
気になる街角
この銘板、なんだと思いますか?
上野松坂屋デパートの屋上で、娘と遊んでいたら、昭和39(1964)年に開催された東京オリンピックの、使用記念ポールが立っていたのです。たくさんのゲーム機に囲まれて、まわりの風景にとけこんでいたので、気がついたのは、つい最近のこと。びっくりしました。このポールは、当時オリンピック会場で、どこに使用されていたのでしょうか? ちょっと気になります。それにしても、上野松坂屋デパートは、行くたびに発見があって、おもしろいデパートだと思うのです(No.55、No.102、No.116参照)。