おはじきを眺めていたら、ひんやりと冷たくて、きれいで、まるで雪の結晶のよう‥‥なんて思ってしまったのは、昨年の暮れから雪の話ばかりしているから。だって、故郷の鳥取県に大雪が降ったのです。それも、水分をいっぱい含んだ重たい雪が、急激に積ったために、交通機関は壊滅状態で、国道9号線では1000台もの車が動けず、漁港として有名な境港では、300隻を超える船が沈没しているとのこと。山間の集落では何日も停電が続き、東京でも、連日トップニュースで取り上げられました。新年から地元がこんなにテレビにでるなんて‥‥。実家に食料品を送ろうにも、宅配便もいつ届くかわからない状況で、いつでも送れるなんて思っていましたが、甘かったなぁと反省しました。やはりいつ起こるかわからない災害のために、保存食など準備しておいたほうがいいですね。
ありがたいのは、離れた故郷の様子をインターネットで確認できることです。米子いんふぉねっと『暮らしと観光ガイド』の中の、"米子市日記"では、連日の大雪写真をあげてくれ、雪への驚きや、生活の大変さなどが書かれています。日記の写真は、美しいものが多くて、大好きな大山を楽しみに眺めてきましたが、雪もだいぶ少なくなり、安心しました。
そしてもうひとつ、鳥取県立『夢みなとタワー』のライブ映像発信、"展望室からの眺め"は、暇があればいつも見ています。大雪の時は画面が真っ白でした。いったいどうなることかと思いましたが、普段は雲の流れから風向きを思い、朝焼けや夕焼けの美しさに目を細め、波の高さに力強い日本海を思う‥‥。帰りたいというわけではありません。「故郷は遠きにありて思うもの」なのです。
雪に見立てたおはじきは、何年か前にまとまって出た時に「戦前のおはじきだよ」といわれて、ガラスを収集している友人と一緒に買いました。少々不格好ですが、そこが魅力のひとつです。梅、菊、桜の花の形をしているので、"花はじき"なのでしょうか? 中央には赤と黄色の塗料が塗られていたようですが、ほとんどとれてしまい、少しだけ残っています。そして、なんともいえない美しい色のガラス。たくさん気泡がはいっている青いおはじきは、泡を含んだ海の色にもよく似ています。