母子ともに"ロタウイルス"に感染しました。4月中旬の話です。ロタウイルスとは、赤ちゃんの8割がかかるウイルス性胃腸炎で、嘔吐にはじまり、10日間くらい下痢が続く病気です。いやはや大変でした。赤ちゃんだけなら、なんとかなったのですが、高齢母まで感染するとは‥‥。予防接種を2回も打ち、インフルエンザは回避したと喜んでいた矢先のことで、1歳まで病気知らずにと思っていただけに、ガックリです。でも、なってしまったものは仕方がありません。思うように動かない身体にムチ打って、赤ちゃんへの水分補給とオムツ交換、そして洗濯を、ひたすら繰り返したのでした。感染力が強いウイルスなので、汚れた物は速攻洗濯しないと、旦那さんにも感染するからです。
そんな時に視界に飛び込んできたのが、昭和のはじめ頃につくられた"バンザイマスク"です。この「バンザイ」という言葉は、当時多くの商品に使われており、私は世相を現しているものだと、長年思ってきましたが、今回、赤ちゃんの病気を経験したことにより、「病気にならなくてバンザイ」という意味で、つけられたのかも知れないと思いました。だって、今ほど情報がなかった時代に、インフルエンザが大流行したのです。人々は目に見えない病原菌に、ものすごい恐怖を感じたに違いありません。
バンザイマスクは現在のマスクとは、似ても似つかないデザインで、黒い小さな革でできています。未使用だったので状態もよく、鮮やかなオレンジ色のパッケージは、なんだか元気いっぱいなイメージで、病気も飛んでいきそうです。当時、マスクが大量生産され、メーカーが乱立したといいますから(No.11参照)、いかに目立つか、病気にならなそうか、アイディアを絞られたのでしょう。「衛生」、「安全」という文字もいいですね。そんな戦前のマスクは、何個か持っているのですが、おもしろくて、笑える商品名のマスクがたくさんあります。
さて、恐怖のロタウイルスですが、本当に10日間の滞在後、すっきりと出て行きました。しかし、大変なのはその後です。赤ちゃんは、はじめての病気で怖かったのでしょう。ものすごく泣くようになり、散歩の途中でも大泣きするし、抱っこばかり要求してきて、ベビーカーは乗らなくなるし、離乳食は食べなくなるしで、それはそれは大変でした。そんな赤ちゃんのご機嫌をどう回復させるか、「1に根性、2に根性、3に根性」と自らを励ましながら、「できることなら、避けて通りたいロタウイルス」と、しみじみ思ったのでした。ちなみに、これを機にベビーカーには、ほとんど乗らなくなりました(安いベビーカーにしておいてよかった!)。
気になる街角
手前の建物が壊された時に見ることができました。古い大きなアパートです。