今回ご紹介するのは、ペンギンのインキ壺です。2羽がなかよくひっついた、微笑ましいデザインで、ずいぶん前に池之端にあるエキスポから、やってきました。"池之端"という地名は、上野動物園の池之端門を通るようになってから、身近に感じるようになったのですが、このインキ壺も池之端にいたのだと思うと、なんだかご縁を感じます。
上野動物園のおかげで、ひさしぶりに、このペンギンのインキ壺を手にした時も、動物園のペンギンたちがうかんできました。‥‥といっても、私が意識しているのは、ペンギンになりすましている(?)鳥です。No.58でもチラリとご紹介したのですが、調べてみると、ゴイサギ(五位鷺)というそうです。何枚か気に入った写真が撮れましたので、インキ壺と一緒に、ご紹介したいと思います。
先日行った時も、ゴイサギは、ペンギンの池をジッと見つめていました。はじめは池を泳いでいるペンギンを、魚と間違えているのかと思ったのですが、違いました。本気で餌を狙っていたのです。
遠くから写真を撮ると、ペンギンとゴイサギって、似ていると私は思うのですが‥‥。
家主であるペンギンは、横にゴイサギがいても、なんとも思っていない様子です。心が広いですね。でも、ゴイサギの首が、こんなにのびるなんて、ビックリしました。
そして、ゴイサギは、魚をつかまえました。‥‥でも、魚が大きすぎました。飲み込むこともできず、吐き出すこともできず、「動物園の人呼ぼうか?」と話しかけるも、ジッとしたままです。数分後、オロオロしている私をよそに、ゴイサギは魚を口にさしたまま、飛んでいきました。大丈夫だったのでしょうか。人ごと(鳥ごと)ながら、気になっています。
話をインキ壺に戻しまして、このインキ壺のペンギンって、目が赤かったり、色合いが、なんだかゴイサギに似ている気がします。でも、うしろ姿は、ペンギンらしくて可愛いです。
フタを開けると、ちょっと怖いですけど、よく考えられたデザインだと思います。
パソコンや携帯メールに慣れてしまった今では、普通に文字を書くこと自体、悲しいかな、減ってきました。まして、インクをつけて文字を書くなんて、なかなかできそうにありません。でも、ひと昔前には、本当にたくさんのインキ壺が存在しました。それらはオシャレで、カッコよく、当時いかに重要があったのか伺い知れます。私はインキ壺を見ると、ロマンチックな気分になります。子供の頃を思い出すからでしょうか。漫画家になりたいと思い、Gペンにインクをつけて書いていましたから。あの頃は、夜の時間がとても長く感じられました。ヘタクソな絵なのに、上手いと思い込めた、あのワクワクした感じと、ペンを手に持った感触は、今でも懐かしく思い出すことができます。