台所の最近のブログ記事

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暑い暑いといっていた9月も残りわずかとなりました。近頃急に秋らしくなり、気温も下がったので、ホッとひと息です。でも、あまりにも急な変化なので、風邪をひかないように、服装も考えないといけません(夏風邪は、3週間くらい続きましたから)。思えば、ここ数年、服装なんて考えるどころじゃありませんでした。ニット好きな私が、Tシャツ、フリース、トレーナーと、動きやすく、洗濯しやすい服装に変わり、日焼け止めすら忘れるような毎日(当然ノーメーク)。そして、大好きな革の鞄をやめて、軽さ重視で、ラシットに変更。人って、変われば変わるものです。けれど、そろそろ、少しずつでよいので、生活を戻していきたい、なんて思ったら、サイズ増‥‥。笑うしかありません。それに、"食欲の秋"ではありませんか。ごはんも美味しいし、サイズを落とすのは、ちょっと無理かも。

ごはんといえば、田んぼも、稲刈りがはじまり、黄金色の美しい季節ですから、広大な田園風景を見に出かけたくなります。そんなことを思っていたら、東京ドームのとなりにある小石川後楽園に行った時に、小さな田んぼを見つけました。以下3枚の写真が、その田んぼなのですが、案山子が凝っていてビックリした上に、まわりに高層ビルや、ドームの屋根が見えるのが、なんとも不思議で、感激したのでした。

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 麦わら帽子に、おさげがお似合い。金魚柄の浴衣も可愛いです。

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 水戸黄門は、笑いました。

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 この案山子は、ちょっと怖いと思うのは、私だけ?

今回ご紹介するのは、たわわに実った稲穂つながりで、雀と稲穂が描かれた、図変わり印判のお皿です(直径約150ミリ)。雪が谷大塚にある"道具屋 福や"で求めました。ご主人も雀がお好きで、ずっと手元に置いていた、お気に入りのお皿だと聞き、とても嬉しかったことを、よく覚えています。それにしても、古い器をいろいろ見ていると、雀が描かれたモノって数が多くて、いかに雀が、人々の暮らしの中にとけ込んでいて、愛おしく思われていたかが、うかがい知れるのです。私の手元にも何枚か雀が描かれたモノがあり(No.32参照)、少しずつ、ご紹介していこうと思いますが、この雀は、フワフワした羽から、ちょこんと小さな足が出ている姿も、優しい感じの表情も、なんともいえず可愛らしく、手元にいる器の中で、ベスト3に入る絵柄だと思います。

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おまけ

台風15号、すごかったですね‥‥。わが家も、翌朝玄関を開けたら、通路に落ち葉や枝が散乱。こんなに通路に物が落ちていたのは、7年目にして、はじめてです。ここのところ毎年異常気象といっている気がします。

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歩きはじめて、まともに水たまりと向き合った娘。しばらく戦っていました。水たまりと。当然、靴と靴下はビショビショ‥‥。

 

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ふらりと入ったギャラリーで、直径67ミリ、高さが40ミリほどの、厚手の容器を手に取りました。なんのことはない、シンプルな形の、小さな容器なのですが、白地に赤い細い線が2本描かれ、ひっくり返してみると、右横書きで「味の素 食卓容器」と描いてあったのです。思わず「味の素って、創業いつだっけ?」と、つぶやいてしまいました。あえて「食卓容器」って描いてあることも、すごく気になります。なにか特別の使い方でもあったのでしょうか? よくわからないまま、小さくて可愛い形に惹かれて、つれて帰ることにしました。
53-2.JPGさっそく調べてみると、味の素が創業されたのは明治42(1909)年。すでに100年以上の長い年月が経過していたのでした。そして、高輪に"AJINOMOTO  食とくらしの小さな博物館"があると知りました。これは行くしかないでしょう。さすがに遠いので、自転車ではなく、娘と電車で向かうことに‥‥。しかし、ひさしぶりに乗った電車は、9月9日に電力制限が終了したせいか、弱冷房の車輌に乗ったにもかかわらず、すごく寒い! 日頃乗らないからそう思うのでしょうか。でも、前に座っていた女性も寒がっています。私は、湯たんぽのような娘を抱っこしていて、ちょうどいい感じでした。ひさしぶりの電車では、人の多さに驚いたのか、娘はキョロキョロ。慣れてくると、となりの人をさわりだすので、椅子に座らず、立っていきました。高輪近くになると、ほとんど人がいなくなったので、車内を歩かせてみましたが、案外平気で歩くもんです。エライ、エライ。
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さて、博物館に入ると、ありました! ありました! 「味の素 陶器製食卓容器」として展示してありました。が、残念なことに(?)、フタがついているではありませんか! ガーン。フタもあったのかぁ~。私は欠品を買ってしまったのでした。昭和9(1934)年に出まわったモノだそうです。となりには「味の素 ガラス製食卓容器」という、ガラスでできたステキな容器も並んでいました。こちらは昭和6(1931)年につくられたモノだそうで、底にローマ字で、AJINOMOTOの文字が描いてあり、これもかっこいいなぁと思いながら、眺めたのでした。それにしても、この陶器でできた食卓容器は、単にフタをのせただけのようです。骨董市場で、バラバラになって出てきても仕方ありませんね(?)考えてみると、ガラス製容器も、フタをのせただけなのですが、陶器製だと、のせただけって、なんとなく違和感を感じてしまうのは、私だけでしょうか。湿気のことも気になります。
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なにはともあれ、現物を見ることができたのは、本当によかったです。けれど、せっかく来たのですから、もう少し素性を調べたいと思いました。嬉しいことに、こちらでは2階に博物館、1階に資料館があり、食に関する書籍を閲覧することができます。荷物をロッカーに入れて、知りたい内容を受け付けで伝えると、すぐに味の素の社史コーナーに案内してくださり、『味の素 グループの100年』の中に、食卓容器を見つけることができました。

それによると、食卓容器とは、陶磁製とガラス製の、スマートな容器があり、それを各家庭で常備し、味の素を入れたのだそうです。そして、中身がなくなると、普通の缶から詰め替えるのだとか‥‥。食卓容器は、大正3(1914)年に試売され、需要の高まりから、昭和5(1930)年に入り、大々的に発売されたそうです。私は、味の素食卓容器って景品だとばかり思っていましたが、販売されたモノだったのですね。だとしたら、いつかフタだけどこかで出会えるかも知れません。それにしても、「スマートな容器」という表現は、昔っぽいというか、時代を感じて微笑ましく思えました。

でも、さすが味の素です。昭和もヒトケタの時代から、まだまだちゃぶ台が多かったであろう食卓に、こんなステキなデザインの食卓容器を提案するのですから、すごいですね。ずらりと並んだ書籍や資料から、その歴史を感じることができました。本当は、もっと読みたかったのですが、娘が許してくれるはずもなく、この1冊で、これだけわかったのはラッキーです。

53-5.JPGはじめて訪れたAJINOMOTO  食とくらしの小さな博物館は、歩きはじめたばかりの娘と、安心してまわることができました。戦前から現代までの台所の様子を、くるっと一周するだけで、見ることができる、コンパクトな展示も楽しかったです。コンパクトといっても、実によく考えられ、モノの配置も素晴らしく、もちろん、戦前からの味の素の各種容器も、当時の人気商品などと一緒に展示され、とても楽しいひとときを過ごすことができました。娘も自分の目線にモノが並んでいることが、嬉しいらしく、のぞいては歩くをくり返しています。もう少し大きくなったら、また来たいと思いました。そして、これだけのモノや書籍を、維持・管理されているAJINOMOTOという企業に、本当に頭の下がる思いです。ありがとうございました。さて、味の素といえば、「あしたのもと、味の素」ってコマーシャルは、実に上手いネーミングだと思います。なんか、元気になれそうで、実際元気になって、いい気分で博物館を後にしたのでした(娘がぐずりだす前に‥‥)。

*食卓容器等の写真は、受け付けの方にお断りをして、撮影させていただきました。

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話は変わりますが、底の器だけ買ったモノといえば、緑色の二重線が描かれた"国民食器"と呼ばれる丼があります。大きさがちょうどいいと思い、買ったのですが、これもフタがあったのに、器だけ買ってしまったのでした。もちろんフタの存在を知ったのは後の話。ちょっと悲しいものがありますが、仕方がありません。"時のかけら~統制陶器~"を書いておられる、りちょうけんさんも、フタを伴うモノは少ないと書いておられます。古いモノは、元箱入りででてくることは、まずありませんから‥‥。出会った時に、気に入るか気に入らないか、その気持ちだけですよね。丼は、よく見ると二重線の色も白地の色も違います。この微妙さが気に入って2つ買いました。当然のことながら、底の番号も違い、濃い緑色のほうは「岐700」。少しねずみ色っぽいのは「岐668」(だと思う)と描いてあります。

それぞれフタがないのは残念ですが、わが家にやってきたのも、ご縁です。大切に使っていきたいと思います。

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わが家には、比較的キャラクターモノは少なく、へんてこなガラクタばかりいるのですが、前回、戦前の漫画『こぐまのコロスケ』が描かれた子供茶碗をご紹介したので、今回も戦前漫画"正ちゃん"のコースターをご紹介したいと思います。‥‥と、その前に、正ちゃんとは、大正12(1923)年から『正ちゃんの冒険』(画:樺島勝一 作:織田小星)というタイトルで、描かれた有名な漫画です。主人公、正ちゃんのトレードマークである、大きなボンボンが頭上についた毛糸の帽子は、「正ちゃん帽」と呼ばれ、当時の子供たちの間で大流行したそうで、キャラクター商品の先がけなんだとか。52-2.JPG

復刻版『正ちゃんの冒険』(発行:小学館クリエイティブ 発売:小学館)を読んでみると、正ちゃんの服装や、色使いのセンスのよさに驚かされます。書斎のシーンもありますが、木製の立派な机を前にして、水色の布製のゆったりとした椅子に足を組んで腰掛ける正ちゃんに、私もこんな書斎が欲しい! なんて、真剣に思ってしまうほどです。相棒であるリスも愛敬があって、可愛らしく、見ているだけで、ほのぼのしてくる絵柄に、子供たちがあこがれたのは、よくわかる気がします。

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当時流行をつくった正ちゃんは、新しいモノがよく似合います。それは、私の手元にいる、直径75ミリほどの陶器製コースターにも描かれていました。

・海の上を悠々と飛行する、大きな飛行船を眺める正ちゃんとリス。
・湖の向こうに見える巨大な五十の塔を、カメラで撮影しようとする正ちゃんとリス。
・倒れた木に腰掛け、なにやら楽しそうに話す正ちゃんとリス。

飛行船とカメラが描かれているだけでも、昭和初期のあこがれが伝わってきて、嬉しくなります。このコースターの上にグラスを置いて、何を飲んでいたのでしょう。なんだか、とても美味しそうに思えます。ちなみに、コースターと出会ったのは、阿佐ヶ谷にあった骨董屋です。オーナーも気に入っておられたのか、白い壁にかかっていました。もう少し飾っていたいようでしたが、なんとか譲っていただき、喜んでつれて帰ったことを、よく覚えています。

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2月中旬の話になりますが、浅草橋にある"顔が命の吉徳"で、娘の雛人形を買いました。たくさんある中で、パッと目があった、とても優しい顔の人形を選び、こんなふに、穏やかに育ってほしいと願います。その後、自分用に正ちゃん帽を買いました。どこで買ったのかというと、オープンした時からずっと行きたいと思ってきた、高架下ショップ、"2K540 AKI-OKA ARTISAN"です。オープン当初、連日テレビで紹介されていましたから、ご存知の方も多いと思いますが、その中の帽子屋"イフティアート"で、買いました。ちょうど50%オフでお買い得だったのも嬉しく、毛糸の帽子は、あったかくて、ボンボンも可愛らしく、シンプルな仕上がりなのも気に入って、そのままかぶって帰ったのでした。

52-6.JPGこの商店街では帽子をはじめ、絣製品や竹製品、つげ櫛、やきもの、鞄、傘にアクセサリーなどなど、きちんとつくってあるモノを、一同に見ることができます。薄暗い高架下を上手く活用し、小さなお店がギュッとつまっている感じは、とても楽しげで好きなのですが、「ニーケーゴーヨンマル、アキオカ、アルチザン」という商店街名(?)は、いいにくいし、覚えにくいと思っているのは私だけでしょうか。

さて、今日は自転車で散歩をしていたら、コスモスの花を見かけました。もう、秋なのですね。もう少し寒くなったら、正ちゃん帽をかぶって出かけたいと思います。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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