暮らしの最近のブログ記事

1.福助.jpg

「火の用心!」カチカチ‥‥。「火の用心!」カチカチ‥‥。
毎年恒例夜回りの季節がやってきました。町内の大人に子供たちが混じって、元気な声と拍子木を打つ音が鳴り響いています。冬の寒い中、本当にごくろうさまです。
自分の暮らしている場所が、本郷台という台地の崖下だと、旦那サンに聞いてから、よくよく町を眺めてみると、確かに低い土地に民家が密集しています。近年では、建て替えがだいぶ進みましたが、まだまだ連綿と続いてきた町の歴史を垣間見ることができる、古い町並みが残った味わい深い所なので、万が一火事が起きれば、被害が大きいであろうことは、容易に想像ができます。けれど、そこは土地柄といいましょうか、数年前に火事が起きた時に、町内の方々の機敏かつ一致団結した行動力には、目を見張るものがありました。どこからともなく出てくる、出てくる、人と消火器! 使用済みの消火器は、どんどん路上に積まれて、消防自動車よりも素早い対応に、役立たずの私はオロオロと眺めるだけ。ちなみに旦那サンは消火器持って走っていましたけど‥‥。幸いボヤ程度で済み、隣接した家屋には燃え広がらずに済みました。

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でも、「消火器ってパッと使える?」と聞かれると、ちょっと不安です。私の場合「えっと、このレバーは‥‥」とかいってる間に、被害が拡大してしまいそうです。そんな私でも簡単に使用できるのが、今回ご紹介する"消火弾119"です。使用方法は、火に向かって投げるだけ。達磨を連想する赤い色と卵のような形、そして、なんともいえない無表情の福助に惹かれ、つれて帰ったのは、もう何年も前のこと。消火に福助? おもしろいですよね。部屋のインテリアに合うようにデザインされたのでしょうか? 台所に置いても邪魔にならない大きさ(高さ15センチ)ですし、存在感があるので失くすこともなく、形が卵型ですから、上に物を積むことも出来ません。単体として置くしかない消火弾119は、よく考えられた構造だと思ったりして。その上「特許出願済、実用新案出願済、意匠登録出願済、商標登録出願済」とも書いてあり、ものすごい気合いを感じます。有効期限は25年前の昭和60年とありますから、そんなに古いモノではありません。ちなみに昭和30年に設立された日本ドライケミカル社製です。ちゃんとした製品だったのですね。私はこれ以外に見たことはありませんが、懐かしいと思われる方もおられるのでしょうか。
次にご紹介するのが、"理化學應用 粉末消火器"です。こちらは古く、間違いなく戦前の消火器です。金属の筒に粉末の消火剤が入っており、全長50センチ。大きくて重たいです。でも頑丈ですから、その辺に転がしておいても壊れません(へこんでいますが‥‥)。

3.消火器アップ.jpg

「ウラ梅印粉末消火器ハ 人身ニ無害、永久効力ヲ失ハズ、萬物ヲ汚損セズ、氷結爆發腐蝕等ノ虞ナシ」など、いかに素晴らしい消火器であるかが、全体にプリントされています。"ウラ梅印"というわけで、梅の花の裏面が商標というのもおもしろい! 永久に効力を失わないって、本当かなぁ? 思わず笑ってしまいますが、消火グッズもこうして2種類見ただけで、現在とはまったく違うデザインに、楽しくなるのでした。
さて、平成22年も残すところわずかとなりました。この時期は空気が乾燥しますから、火の元には、くれぐれも用心して過ごしたいですね。

おまけ 気になる街角 

4.猫.jpg

ドキッ、視線を感じました。

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近くて遠い街だった台東区谷中が、2週間に1度は訪れる身近な街へと変わったのは、ここ数ヶ月の話です。産後生活の訓練(?)の一環として、区内の100円バスや都バスを駆使し、または強靭な足でエッサエッサと歩いて行ける谷中が、こんなに近いとは、実は思っていなかったのです。赤ちゃんとのお出かけは、新米母にとっては、慣れないことばかりでたいへん。できる限り、まわりの人にご心配、ご迷惑はおかけしないよう、ベビーカーと抱っこ紐、オモチャ数個、ミルクにほうじ茶と、近くでありながら、遠足並みの準備で出かけているのでした。第一の目的は、よみせ通り商店街にあるコシヅカハムで売っているベリーハム。美味しい‥‥。最近はまっています。池田屋蒲鉾店のおでんも美味しい。残念ながら、谷中銀座商店街は道幅が狭い上に、いつも混んでいて、ご迷惑をおかけしたくないので、今は行けないけれど(単に勇気がない)、美味しそうなお店がたくさんあるので、一軒ずつ制覇したいと思っているところです。

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コシヅカハムの近所に、骨董屋ひよこ堂があるということも、気づいたのがここ最近の話。エイヤッとお店に入ってみました。骨董屋に入るのは、本当にひさしぶり。古いモノたちが醸し出す、独特の懐かしい匂いにホッと癒されつつ、店内を眺めると、使い勝手の良さそうな日用品や家具がメインに並んでいて、陶器や漆のモノなどは染付や色絵の美しいモノが並んでいました。なんとなく手にとったのが、400円の貝殻のブローチ。つけようかなって思いまして。懐かしい感じがして、可愛くありませんか? 小さな桐箱に入っていて、ラベルには"SHELL FLOWER"の文字が。ひと昔前は、貝殻でできたお人形やアクセサリーって、観光地のお土産物として見かけたものですが、最近は貝殻製品って見なくなりましたね。そして、根来塗の小皿(全長9センチ)を3枚買うことにしました。お正月用にヨイかなと思って。色合いも素朴で私好み。お値段も1枚700円で、ニコニコとつれて帰りました。

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それにしても狭い範囲しか動けない中で、こうやって好きな時に、好きなモノに触れられるというのは、本当に感謝だなぁと思います。谷中には、まだまだ古道具や骨董を商うお店がありますから、少しずつ探検しようと思いつつ、最終目的地は、台東区池之端にあるエキスポです。もちろん行き方はわかっているのですが、近いんだけど、ベビーカーを押して行くには、まだまだ遠い。春頃までには、なんとか行きたいものです。

ご案内
「2011年1月9日(日)から2月12日(土)まで、ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『徳川夢声映画祭』が開催されることとなりました。」と、徳川夢声を長年研究しておられる濱田研吾さんからお手紙が届きました。「"プチ"夢声ブームです。たぶん‥‥」って。近年ユーモア小説の傑作を厳選した『徳川夢声の小説と漫談これ一冊で』(清流出版発行)にはじまり、弁士時代を回想した『くらがり二十年』(清流出版発行)と、主演映画のエピソードを綴った『あかるみ十五年』(清流出版発行)が復刊され、『問答有用 徳川夢声対談集』(阿川佐和子編・ちくま文庫)刊行など、徳川夢声再評価の機運が高まる中での映画祭開催です。夢声を伝えたいと話してきた濱田さんの喜ぶ顔が思い浮かぶと同時に、たくさんの人に見てもらいたいと願う気持ちが伝わってきました。昭和49年生まれの私より年下の彼が、熱く語ってきた明治27年生まれの徳川夢声。「どこがいいの?」って思ったら、『徳川夢声と出会った』(濱田研吾著・晶文社発行)を読んでみてください。そしてラピュタ阿佐ヶ谷に、ぜひ足を運んでください。

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ラピュタ阿佐ヶ谷HP:徳川夢声特集
Amazon.co.jp:徳川夢声の本

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11月のある日。テレビ東京の長寿番組『レディース4』の取材で、俳優の田中実さんが、わが家にやって来ました。いやぁ、生後6ヶ月になったばかりの赤ちゃんがいる家に、取材に来ていただくとは、なんて勇気があるのかって思われるでしょう‥‥? 以前は部屋が少しでも汚れていると、人に来ていただくことに抵抗があったのに、あらあら不思議。出産後って、一皮も二皮も剥けるというか、平気になってしまいました。だって、たくさん人が来るのです。お祝いや応援はもちろんですが、はじめてお会いする助産師さんたちもそう。助産師さんには、いっさい見栄ははれません。お母さんの体調から赤ちゃんの環境まで、しっかりとチェックされるのです。そして、口ぐちにでる魔法の言葉「赤ちゃんのいるお家は、汚くて当たり前」。私もそう思います。仕方がないんです。だからいいんです(?)。頭のネジが1本抜けてしまったような気がしないでもありませんが、子供にとってもいい記念になると思い、取材を快諾したのでした。

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しかし、俳優さんって、本当に顔が小さいのですね。ドラマやコマーシャルなどで何度も拝見しているとはいえ、本物の田中実さんは、身長が184センチと高く、大きい瞳がキラキラと輝いた、とても優しい、穏やかな空気を持っておられる方でした。書籍がとてもお好きなのか、うちの本棚をジッと見ておられ、ドキドキしました。撮影中もカメラは自分の目の前にあるのですが、田中さんの瞳に吸い寄せられ、終始田中さんを見て話してしまい、テレビで放映された時には、全部横向きで笑ってしまいました。
そんな吸い込まれそうな美しい瞳を持つ田中実さんにかけまして、うっとりと眺めてしまう、まさに吸い込まれそうな、美しいガラスのペーパーウエイトをご紹介したいと思います(ちょっと強引?)。形はいたってシンプル。プロペラのデザインです。透き通ったブルーとグリーンの美しいガラスを、手に取るたびに光にかざして眺めてしまいます。ところどころに気泡がポツポツ。つくられた当時の空気を忍ばせて輝いているのですね。全長は15センチ。手でつかむには、ちょうどいい大きさと重さで、中心には小さい方位磁石がはめ込まれているという、古いモノと思えないほど、無駄のない見事なデザインです。

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テレビの話に戻しまして、どんな内容の取材だったかというと、旧サイト『駅前ガラクタ商店街』の"その58 上野「十三や」のつげ櫛の巻"でご紹介した、戦前のつげ櫛を見せて欲しいとのお話で、田中さんがそのつげ櫛を持って、十三やを訪ねてくださり、お店の歴史、職人さんのつげ櫛づくり、そして、戦前のつげ櫛の素性をレポートされたのでした。私はチラリとつげ櫛を手に入れたいきさつをお話しました。それにしても、本当に丈夫な櫛です。私が使用してかれこれ12年経ちました。でも、未使用だったとはいえ、もともと戦前につくられた櫛ですから、70年以上昔のモノなのに、まったく壊れません。壊れたら買い替えようと思っているのに、こんなに壊れないと商売としても大変だなぁと思ってしまいます。乾燥するこの季節にも静電気が起きず、髪の毛に優しいつげの櫛。私の愛用品のひとつです。そんな櫛がテレビでていねいに紹介されて、嬉しくなりました。古い櫛たちも、スタジオに連れられてスポットライトを浴び、さぞかし驚いたことと思いますが、反面とても嬉しかったことでしょう。

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撮影が終わると、田中さんにサインをいただき、赤ちゃんを抱っこしてもらって記念写真を撮りました。抱っこの仕方が、とても優しいのに驚きました。全体から優しさがにじみでている感じで、スタッフの皆様もとても親切。醸し出される空気が穏やかなせいでしょうか。大勢知らない人がいるにもかかわらず、赤ちゃんは泣きだすこともなく、安心できた撮影となりました。

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おまけ 気になる街角

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不思議な扉を見つけました。どこへ行けるのでしょうか‥‥。

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    さえきあすか -asuka saeki-
    忘れ去られてしまいそうな、昔なつかしいモノたちに魅せられて、コツコツ集めています。古くさいけど、あたたかくて、あたらしい。そんな愛すべきガラクタたちをご紹介します。

    旧サイト連載:
    駅前ガラクタ商店街
    …昭和以前の生活雑貨録

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