これは、なんだと思いますか?
ベークライトの黒いフタに、白い陶器の器‥‥。 No.86、No.88でご紹介した、化粧品のビンに似ていますよね。
でも、ラベルに書かれた文字をよ~く見ると、「田口商会 墨汁壷 ペン洗器」と書いてあるではありませんか! つまり、このビンは化粧品ではなく、文房具なのです。
真上から見てみると、このとおり。ペンの挿し込み口らしき穴が開いています。それも、中央に向けて、ブラシがついていることから、このブラシで、ペン先についたインクなり、墨汁を落としたと思われます。
フタに明記されたパテントナンバーから調べてみると、昭和11年に東京市の田口明という人が、"「ペン」拭器"として実用新案登録されていました。登録箇所は、フタの内側に刷毛を取り付けた構造で、推測どおり「刷毛ハ放射状ニ筒ノ内部ニ突出シ、「ペン」ヲ挿入スルトキ該刷子ニヨリテ、「ペン」先ニ付着セル「インク」ハ拭き取ラルルモノナリ」と書いてありました。
また、検索してみると、同じモノを紹介しておられる方がいましたので、リンクを貼らせていただきます。フタも2色ある上に、よく見ると、ラベルが違っていて、栗下南望さん所有のペン洗器には、値段も書いてありました。そして、私のほうは、まるいコルクの板が入っていましたが、栗下さんのほうは、透明のセルロイドの板が入っていました。参考になりました。ありがとうございました。
フタを開けてみると、こんな感じ。ビンの中に入っているのが、まるいコルク板です。未使用品でした。
ちなみに、この"ペン洗器"は、千葉の成田山新勝寺へお参りに行った際に出会いました。実は、京成成田駅から成田山まで行く途中に、骨董屋さんが3店あるのです。 5年ぶりに訪れたので、お店やっているかなぁと思ったのですが(スミマセン)、3店とも営業しておられました!
下の写真の軍用茶碗は、違うお店で求めました。数百円という安さについ‥‥。
裏面には、統制番号があり、「時のかけら~統制陶器~」でも紹介してありました。 勉強になります。意外と状態もよかったので、家での食事に使おうかな。
成田山新勝寺までの参道。私はなぜかこの街並みが大好きで、ひさしぶりに歩いたら、涙がでそうになってしまいました。
肝心のお参りは、御朱印もいただき、護摩木に願いも書きまして、御護摩祈祷にも参加しました。「御火加持(おひかじ)」という、自分の鞄や財布などを御護摩の火にあて、お不動様の御利益をいただくこともでき、とても、すがすがしい気持ちになりましたよ。
お参りの帰りには、ウナギを食べ、おみやげに奈良漬を買うなど、ちょっと贅沢。赤いポストも懐かしくて、本当に好きな街並みです。